日本航空復活の裏に「繰越欠損金控除制度」あり
日本航空(JAL)は経営危機の際、「繰越欠損金控除制度」を活用し、今では経常利益1,550億円を見込むまでに急回復している。
JALはこの制度をうまく活用してきた。経営危機時には最大で8,000億円にものぼる繰越欠損金があり、これが税金負担を軽くしてきた。自社の努力による業績回復がメインではあるが、税金負担が軽減されたことで間接的に経営再建への後押しとなった点も軽視し難い。
JALのような大企業の経営再建時に活用できるだけでなく、中小企業の業績悪化時にも有効な制度である。これが縮小されていくとなると、中小企業の経営再建はより一層厳しいものとなるだろう。
どのような社会を目指すのか今一度議論を深める必要がある
2015年に予定していた8%から10%への消費税率引き上げが延期された。これは中止ではなく、延期であるため、いずれは消費税率が引き上げられる。ここで議論となったのは生活必需品については消費税率引き上げを回避し、その他の商品やサービスで広く浅く課税負担をしようというもの。これと同じように、赤字が続く企業では税率負担を軽減し、上場企業等の大手が一時的に赤字になった場合には課税を強化するという方向性も考えられる。
大企業、中小企業、業績の良い企業、悪い企業といった、どこが負担し、どこが負担しないかといったくくりの中で財源確保を目指すのではなく、中長期的にどのような社会を目指すのかというより良い制度設計が望まれる。
(ZUU online)
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