特許出願状況から見る「全固体型リチウムイオン電池」

リチウムイオン電池に代わる次世代のバッテリー技術の中から「全固体型リチウムイオン電池」をとりあげたい。理由は特許出願が活発だからだ。

特許庁の「平成25年度 特許出願技術動向調査」によると、日本、アメリカ、EU、中国、台湾、韓国、カナダへの全固体型リチウムイオン電池に関する出願は3,306件である。これは空気電池 1,251件、ナトリウムイオン電池の266件を大きく上回っている。

全固体型リチウムイオン電池とは、現在のリチウムイオン電池を改良したもので、有機溶媒でできた電解質を固体にするという技術だ。理論的にはリチウムイオン電池と同じ大きさで約2倍の電力を供給できるとされている。

この分野にもっとも特許を出願しているのが、トヨタ自動車 <7203> で件数は479件である。続いて住友電気工業 <5802> 197件、パナソニック 138件と続いている。また、パテント・リザルトによる特許の有効性も加味したスコアによると、上の企業に加え、出光興産 <5019>、オハラ <5218> 、ナミックス が上げられている。全固体リチウムイオン電池に関する特許のうち、日本国籍の出願人は約40%と最も多い。

今後、新しいバッテリーが電気自動車、そしてIT機器の動向を左右する可能性があるが、激しい開発競争の中でどの技術が主流となるのかを予想するのは困難だ。その中で、世界で高い競争力をもった自動車産業が力をいれて開発している全固体リチウムイオン電池が主流となることは十分に考えられ、今後の動向が注目される。

(ZUU online)

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