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(写真=Thinkstock/Getty Images)

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入居者ニーズは時代と共に変化し続けるもの

不動産に関する専門書や月刊誌を発行している住宅新報社が、定期的に実施している「4大都市圏家賃調査」によると、2014年9月1日時点の東京圏のワンルームマンションの平均家賃は、半年前と比較して1.69%アップしている。同年3月の同じ調査でも、半年前と比較して平均家賃が0.62%上昇しており、家賃の微増傾向が続いていることがわかる。このデータは、東京圏でマンション経営を手がける不動産投資家にとってはプラス材料だろう。

その一方で、他都市の家賃相場は伸び悩んでおり、また、東京圏といえども今後、経済状況が停滞すれば、他都市と同じ状況に陥る可能性がある。さらに将来的には、人口減少による不動産物件の競争激化も懸念される。

家賃を安定化させるには、物件の付加価値を高めていく視点が一層重要になっていくと考えられるが、具体的に「現代の入居者が求めるニーズ」とはいったい何だろうか。

ひと昔前までの家賃を維持・向上して入居者を取り込むための施策は「フローリング」や「バス・トイレ別」などだった。しかし、他の市場と同様、不動産市場においてもニーズの細分化が進んでいる。この市場変化を見落とすと、家賃を下げて空室を埋めるしかない「その他物件」の仲間入りをするしかない。

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家賃が上がってもほしい設備・サービスベスト3

現代の入居者ニーズを読み解くには、リクルート住まいカンパニーが2013年に発表した「首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査」がおおいに参考になるだろう。計1100件以上の入居者(単身者791件)に対して実施された母数の多いアンケートだけに信頼性が高い。

このアンケートの「家賃が上がってもほしいサービス・設備」の質問項目で、最も支持を集めたのは「24時間ゴミ出し可能」だった。40%以上の入居者がこの設備があれば、家賃が上がってもよいと回答している。これに続くのは、2位「宅配ボックス(28.4%)」、3位「防犯カメラ(24.3%)」である。

ちなみに、リクルートが2004年に行った同様の調査(首都圏賃貸住宅市場における入居者ニーズと意識調査03)の設備・仕様に関する質問では、「24時間ゴミだし可能」と「防犯カメラ」は項目にすら入っていない。「宅配ボックス」のみ項目に入っているが、これを支持するのは21.3%(絶対条件+賃料次第の合計)にとどまっており、2000年代前半から比較して支持が伸びていることがわかる。

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「夜遅くに帰宅しても便利・安心」がキーワード

先にあげた2013入居者アンケートの「単身者」と「ふたり暮らし・ファミリー」のニーズを比較してみると、「防犯カメラ」では、後者の方がよりニーズが高く、約5ポイントの開きがあるものの「24時間ゴミだし可能」と「宅配ボックス」では、両者の差はほとんどない。こういったサービス・設備に対するニーズは、単身者、DINKS、ファミリーを横断して広がっていることがわかる。

不動産投資家の視点で考えれば、区分所有のオーナーなら、ワンルーム、ファミリータイプ問わず「24時間ゴミだし可能」「宅配ボックス」「防犯カメラ」といった入居者ニーズに応えるサービス・設備を充実させた物件は、選ばれやすく安定経営が実現しやすいため“買い”といえる。また、1棟物件のオーナーならこれらの入居者ニーズを積極的に取り込み、物件の付加価値を高めることを目指すのが得策だろう。

「24時間ゴミだし可能」「宅配ボックス」「防犯カメラ」に共通するのは、「夜遅くに帰宅しても便利・安心」ということだ。発想を広げて考えれば、外観・内観の照明を増やすだけで入居者には安心材料となり、満足度を高められる。特に、エントランス周りの照明を明るくするのは有効だ。

また、防犯カメラを設置するのでも、エントランスに複数台設置し、さらに共用廊下にも付けるなどすれば、安心感を大きく高められる。

物件の付加価値の向上にはリノベーションも有効である。まずは、入居者視点に立ってきめ細やかなサービス・設備を実施してみてはどうだろう。多額な費用をかけずとも、部分的に設備・サービスを加えるだけで、入居者に選ばれ続ける物件にできる可能性は十分ある。

(提供: Leeways online )

(ZUU online)

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