アベノミクスを100点満点で企業が採点したら、約64点になるという。帝国データバンク(TDB)の調査が明らかにした。現在の安倍政権が2012年末に誕生してから、安倍晋三首相が一貫して取り組んできた経済政策「アベノミクス」は、企業から採点を受けても、及第点をなんとか得られた格好だ。

TDBの調査によれば、現政権発足後を100点満点で評価すると平均で64.2点だった。発足後約2年の、アベノミクスについては、ネガティブな評価を下してはいない様子になっているようだ。

調査に回答した企業からは、「経済政策の目標が明確で、日本の進むべき方向が示されている」「低調な機運を上昇方向に向けてくれた」「大幅な金融緩和によって円安を誘導し、国内生産の回復を図ったことは評価できる」や「完璧な政策など過去を見てもあり得ないが、現在での最善ではあると感じている」などといった意見が上がっているという。

また、同社は、アベノミクスに対する評価に企業規模によって傾向が異なる点を指摘。大企業での平均点は68.5点を付けた一方で、中小規模は63.6点と採点。加えて、小規模企業は62.2点と比較的に低い点数をつけており、規模が大きくなればなるほどアベノミクスへの評価も高くなっている。

さらに、TDBは「企業はこれまでのアベノミクスに60点以上をつけているものの、中小企業や地方において大企業優先という不満も高まっており、企業の約3割は60点未満。企業の実情を踏まえて、政策を実行していくことが求められる」としている。

併せて、TDBは企業の業績見通しについても調査を実施。回答した企業の中で「増収増益」と28%が回答。2014年度の実績からは2.1ポイントの減少。「減収減益(見込み)」と回答した割合はは前年度から、4.2ポイント減少。また、「前年度並み(見込み)」は、10.1ポイント増加した。

ほかにも、TDBは「2015年度の業績見通しを下振れさせる要因として『人手不足』がクローズアップ。前年度と比較して下振れ材料と捉える企業が10ポイント近く増加。下振れ材料としての順位も3位まで上昇した。特に、中小企業では人手不足にともなう賃金上昇を製品やサービスの単価引き上げでカバーすることも難しく、業績を悪化させる要因と捉えている」と語った。(ZUU online 編集部)

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