11日の東京株式市場は、前週に発表された米4月雇用統計が、市場予想と同水準であったものの、米景気減速懸念を払拭し、早期利上げに踏み切るほど強い内容でもないことから、株式市場はリスク音に傾いた。さらに、中国が利下げを行ったことも重なり、日経平均株価は、前週末比241円72銭高の1万9620円で大引けとなった。

12日の東京株式市場は、前日大幅高になったことや、米国株が売られていたことから、売りが先行する展開だったものの、企業業績拡大期待などから押し目買いが入り、前日比3円93銭高の1万9624円84銭となった。

13日の東京株式市場は、4月景気ウォッチャー調査の改善から、先物を中心に買いが入り、日経平均株価は、前日比139円88銭高の1万9764円72銭で大引けとなった。個別銘柄では、今期見通しが大幅に上振れした清水建設 <1803> が上昇した。

14日は、これまで上昇が続いていた反動から、利益確定の売りに押される展開となり、前日比194円48銭安の1万9570円24銭で取引を終えた。

15日の東京株式市場は、前日の米国株がFRBの利上げ時期が後ずれするとの見方が広がったことで大幅高となったことや、ドル円相場がやや円安方向に振れたことなどから上昇し、日経平均株価は、前日比162円68銭高の1万9732円92銭で今週の取引を終えた。

個別銘柄では、自社株買いを発表した電通 <4324> や、自社株買い観測報道が出た三菱UFJFG <8306> が大幅高となった。


今週の株式展望

今週の株式市場は、FOMCにて、米経済の減速は一過性のものと指摘されていたが、実際、4月米雇用統計では回復が顕著になっており、その認識が正しかったことが証明されたことを考えれば、強気スタンスを維持して問題ないといえるだろう。

しかしながら、日本経済も堅調に進むかといえば、それはまた別の話であり、そういった意味では、20日の1-3月期GDPに注目すべきだ。また、イエレンFRB議長が米国株に対して割高という発言を行った以上、過度な強気スタンスは禁物だ。

今週注目の経済指標は、19日発表の米4月住宅着工件数、20日の1-3月期GDP、4月訪日外客数、21日の米4月中古住宅販売、21日から22日の日銀金融政策決定会合および黒田日銀総裁の会見などである。また、企業決算では、20日に損保大手の損保JPNK <8630> 、MS&AD <8725> 、東京海上 <8766> などが予定されている。

テクニカル面では、週足ベースのボリンジャーバンドは、日経平均株価のローソク足が1σを下回る水準で、週足14週のRSIにおいても、60%台半ばとさほど過熱感はない。

以上から考えれば、企業決算のピークは過ぎ、マーケットの関心は、企業業績から経済へ移っていくだろう。足元の米景気が堅調であることから、日本株にも良い環境といえるものの、イエレン議長の発言を加味して、やや強気程度にとどめるべきだ。ただ、1-3月期GDPの結果次第では、日本経済、景気に対する不安が台頭する可能性もあるので、その点には注意すべきである。(ZUU online 編集部)

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