アシアナ航空
(写真=Thinkstock/Getty Images)

4月14日、広島空港で、韓国・仁川(インチョン)発のアシアナ航空162便(エアバスA320)が着陸時に滑走路をそれ、乗客乗員計82人のうち25人が病院に搬送されるという事故があった。これまでにも何件ものトラブルを起こしてきた同社が、胸を張って“安全"を標榜できる時代は果たしてやって来るのだろうか。


シェアが逆転した金浦~済州路線…大韓航空を上回ったアシアナ航空

韓国第2の航空会社として、アシアナ航空が設立されたのが1988年。現在同社の国際線は、24カ国74都市と韓国を結ぶ88路線に及び、日本でも多くの地方空港に就航している。昨年の国際航空運送協会(IATA)の年次報告書によれば、2014年基準の搭乗客数第1位は、1400万人弱が利用したという金浦(キンポ)~済州(チェジュ)路線だった。現在、韓国の航空業界では、この路線を代表的なドル箱路線に挙げている。

この路線のシェアは、これまで韓国業界最大手である大韓航空が守り続けてきた。しかし、韓国のメジャーな新聞社である中央日報によれば、昨年金浦~済州間でアシアナ航空を利用した乗客数は約320万人。およそ23パーセントに達するシェアは、大韓航空の19パーセント強を上回った。

いわゆる“ナッツリターン"の影響が一部あったにしろ、アシアナ航空が初めてトップの座を奪ったわけだ。


消し去れないトラブルの歴史

一方アシアナ航空には、消し去ることのできないトラブルの歴史がある。

  • 1993年7月、ボーイング737-500が悪天候下、韓国南西部の木浦(モッポ)空港へ進入中に墜落、日本人2人を含む66人が死亡
  • 2009年10月、関西国際空港において、着陸時に機体後部を滑走路に接触させる事故
  • 2011年7月、貨物機ボーイング747-400Fが済州島沖で墜落、2人が死亡
  • 2012年8月、ハワイ・ホノルル発ソウル行きのエアバスA330-300が、島根県上空で乱気流に巻き込まれ、乗客2人が骨折するなど3人が負傷。この事故では、操縦室の気象レーダーの電源が切られていた上、管制機関への通報も国際ルールに基づいておらず、管制官が状況を認識できなかったなどの問題も
  • 2013年7月、ボーイング777-200ERがサンフランシスコ国際空港で着陸に失敗。3人が死亡、約180人が負傷
  • 2014年4月、仁川からサイパンへ向かっていたボーイング767-300が、福岡上空付近でエンジンの異常を知らせる警告ランプが点灯していたにもかかわらず飛行を継続
  • 2015年3月、香港で乗客を間違って乗せたため緊急回航。搭乗前にパスポートと搭乗券の確認手順を踏んでいたにもかかわらず、乗客が他人の搭乗券で通過できた点が問題に
  • 2015年4月、広島空港におけるエアバスA320の今回の事故


拡大路線を続けるアシアナ航空

アシアナ航空の2014年12月期の連結売上高は5兆8千億ウォン強で、営業利益は981億ウォンに達した。前期の営業利益が1,906億ウォン強の赤字となったのに比べると、急速な回復だ。純利益も627億ウォンで、前期の1,147億ウォンという大きな赤字を克服したかに見える。

さらに同航空は、新たなLCC(格安航空会社)を年内に設立する計画であることがわかった。子会社であるLCCのエアプサンのほかに、仁川国際空港を拠点としたLCCの設立を目指すのだというのだが、韓国のLCC各社は競争の過熱を招くとして反発している。

13日に発表された広島空港での事故調査状況の中間報告(運輸安全委員会)によると、旅客機のパイロットが手動による着陸やり直しを試みていた様子が飛行記録装置に記録されており、パイロットの手動操作によるミスが疑われている。

恐らくアシアナ航空は、日本など近距離路線をLCCに委ね、自身は長距離路線を中心に運航していこうという方針なのだろう。ただ、そうした路線が、航空会社の基本である“安全を貫く姿勢"を忘れたものであっては、最終的に利用者の支持を得ることは困難になる。(ZUU online 編集部)

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