新日鉄住金 <5401> は2014年12月22日、インドネシアに現地法人を設立したと発表した。同社のプレスリリースによれば、「インドネシアは、ASEAN諸国で最大の経済規模と人口を擁し、年率5~6%の経済成長を続けている中心国のひとつであり、鉄鋼需要面でも自動車・二輪車を中心とした製造業向けや、インフラ・エネルギー向けにおいて、今後も増加が見込まれる有望な市場と考えている」 。
また、帝国データバンクが2014年5月に行った調査によれば、インドネシアに進出している日本企業は1763社、2012年3月調査時の1266社に比べ39.3%増加し、ここ2年の間で1.4倍となっている
ここでは、今「熱い」東南アジアでインドネシアが選ばれる理由について探る。
緊密さを増す両国関係
インドネシア共和国、通称インドネシアは、東南アジア南部に位置する共和制国家で、首都はジャワ島に位置するジャカルタ。国土は東西に5,110kmと長く、また世界最多の島々を抱える国である。同国は石油・天然ガス・石炭をはじめ、天然ゴムや森林資源など多様な天然資源が豊富で、アジア諸国への資源輸出により経済成長が著しい。
人口は世界で4番目の約2億4千万人で、総人口の約60%がジャワ島に集中し、なかでも首都ジャカルタへの人口集中度が高い(約960万人)。また、毎年約300万人の中卒・高卒が社会に出てくるため、若い労働力が非常に豊富だ。
2013年の一人当りGDPは5,214USドルで、その活発な個人消費や投資から、アジアの経済成長を支える一国家となりうるとの期待がある。
気になる日本との関係だが、インドネシアにとって日本は第1位の輸出相手国であると同時に第3位の輸入相手国でもあり、現地では日本企業が多くの雇用を創出している。一方、日本にとってもインドネシアは重要な貿易相手国であり、2008年7月には経済連携協定(EPA)を締結。これにより往復貿易額の92%の関税が撤廃され、また鉄鋼製品の日本からインドネシアへの輸出には特定用途免税制度が設けられるなど、両国の経済的関係は近年その緊密さを増してきている。
海外進出や海外ビジネス展開を支援する日本最大級の海外ビジネスプラットフォーム『出島(Digima) 』によれば、インドネシアには際だった反政府集団がいないことや、大小の島々からなる群島国家のため海上輸送が発達していること、工場から港湾までコンテナ輸送が可能であること、人々が極めて親日的であることを挙げている。