リスクを注視し、さらなる発展を

さてここまではインドネシアの特徴やメリットだが、一方でリスクとは何か。

まず懸念されるのが自然災害のリスクだ。日本のインドネシアに対する経済協力(ODA)によれば、インドネシアはその地形的な条件により、地震、津波、火山、洪水、地滑り、干ばつ、森林火災などの自然災害が数多く発生し、1999年から2008年までの過去10年間だけでも、死者約18万人、被災者約840万人、経済被害約100億米ドルという甚大な被害が発生している。

特に地震については、インドネシアは日本と同様に多くの地下プレート(ユーラシアプレート、インド・オーストラリアプレート、太平洋プレート、フィリピン海プレート等)がせめぎあう環太平洋火山帯の上に位置しているため、ほぼ年に1度、マグニチュード7~8クラスの地震が発生している。最近では2012年4月に北スマトラ西方沖でマグニチュード8.6の地震が発生。マグニチュード9.1、死者・行方不明者約30万人という甚大な被害をもたらした2004年12月に発生したスマトラ島沖地震は、まだ記憶に新しいだろう。

また前出の『出島』では、その他のリスクとして、インフラ(港湾・道路・電力)の不整備、労働者保護の色が強いインドネシア労働法、贈収賄などの問題にも留意しなければならないと指摘している。特にインフラについては、港湾の貨物取引量増加により、同湾の荷役能力が逼迫し、貨物滞留が生じ深刻な問題となっている。また一般道路の舗装率がまだ十分でなく、首都ジャカルタ以外の地域では停電が頻発しているなどにも留意し、対策をとるべきと留意を促している。

このようにはさまざまなリスクを抱えているインドネシアだが、豊富な資源、明るい経済展望、そして親日的な土壌があることから、東南アジア地域の中で注目されることも十分に頷ける。今後の同国のさらなる経済成長に目が離せない。

(ZUU online 編集部)

【関連記事】

次に合併する企業はどこだ?激しさ増す業界再編の注目ポイントは「成長」

3メガバンクが来年ミャンマーに支店…日系企業が続々とミャンマーに進出する理由とは

かに道楽元副社長に聞く「人が辞めない」経営

年間52,596円の日経新聞が無料?ネット証券は『情報の宝庫』

上場前に投資?10万円以下でLINEに今すぐ投資する方法