物流センター
(写真=Thinkstock/Getty Images)

近年のeコマース市場の拡大により、大きな変革が起きているのが物流である。国内の数少ない成長業界である物流に対し、異業種も含めた多くの企業が投資を強化しているが、各社とも市場成長の恩恵を享受できるのであろうか?それとも競争激化による淘汰が進み、生き残るのは一部の企業だけなのだろうか?物流を取り巻く最新事情に迫る。


台頭するeコマースで物流ニーズも拡大

昨今では実店舗事業を核とする企業の不振が顕著で、各社は戦略的な転換を求められている様子だ。5月18日、大手アパレルの1社であるワールドは、全店舗の15%前後にあたる400〜500店を2016年3月期中に閉店すると発表し、経営合理化を決断した。これまでは店舗数拡大による売上向上を志向してきたものの、店舗運営費や在庫コストが増加していたことから、効率的な経営を目指す構えだ。

加えて、イオン <8267> も、売上の半分を占めるGMS事業が苦戦、売上高こそ前年比10.7%増と過去最高を記録したが、営業利益は前年比17.5%減と、3期連続の減益となった。ほかにも、セブン&アイ・ホールディングス <3382> も、好調のコンビニ事業の影で、イトーヨーカ堂は減収減益である。

対照的に活況なのがeコマース業界である。楽天 <4755> やアマゾン 、ヤフー <4689> の運営するヤフオクやLOHACOなどのeコマース事業、セブン&アイ・ホールディングスのセブンネットショッピング、スーパーマーケット各社の宅配スーパー、カルチュア・コンビニエンス・クラブの TSUTAYA DISCUS、日本マクドナルドホールディングス <2702> のデリバリーサービスなど、eコマースの拡大は目覚ましく、2013年の国内市場規模は11兆円をすでに上回っている。

利便性向上への取り組みも盛んだ。短時間での商品受け取りニーズの高まりに伴い、参入各社は即日配送を行うなどで囲い込みを急いでいる。アマゾンの「当日お急ぎ便」、楽天の「あす楽」、ヤフーの「きょうつく」、さらには、ヨドバシカメラも当日配送を開始するなど、さまざまな名称で、より使いやすく、便利なeコマースの実現に躍起になっているようにも見える。こうした流れの中で、必然的に重要となってくるのが物流機能である。


建設・不動産も取り組む物流強化

さらなるeコマース市場の拡大を睨み、建設・不動産事業者も、需要を取り込もうと、都市部近郊に大型物流施設を相次ぎ建設している。清水建設 <1803> は最大600億円をかけて首都圏に3カ所の拠点を整備する。これまで味の素や日本通運など企業向け物流施設の建設に同社は携わってきたが、今後は自前で大型施設を整備するのが難しい企業への貸出を想定し、自ら物流施設運営に参入する。

大和ハウス工業 <1925> は、2015年の経営方針で物流事業を成長事業と位置付けており、すでにファーストリテイリング <9983> との共同物流事業をスタート。東京都江東区有明に、ファーストリテイリング専用の物流倉庫を建設しており、また両社共同出資による物流事業会社を設立した。

三井不動産 <8801> は、中長期経営計画「イノベーション 2017」において、国内事業の競争力強化に向けて物流事業強化を掲げている。2017年度までに約2000億円の投資を計画しているが、投資額は2015年3月時点で約1600億円にまで達している。

建設・不動産事業者以外でも、日本生命が、大阪府松原市で延床面積5万3000平方メートルの大型物流施設を開発する。同社はオフィスビルを全国で開発・所有しているが、物流施設開発は初めての試みとなる。2015年からの3カ年経営計画で最大1兆円を成長分野に振り向ける予定で、物流施設投資もその一つだと位置付けている。(ZUU online 編集部)

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