3-2_image_2 (写真= Thinkstock/Getty Images)

最近良く耳にするETF(上場投資信託)。今回は、ETFのスペシャリストでもある、東京証券取引所の執行役員である小沼泰之氏に、国内ETFの魅力と活用法について聞いてみた。

― 国内ETF市場の現況と、個人投資家のETF投資に対する動向などは、どのようになっていますか。

小沼: 「東証」というと、日本株のイメージが強いと思いますが、国内のETF・ETN市場には、日本株・REIT(不動産投資信託)・外国株・外国債券・商品など、多様な指標に連動するETF・ETNが191銘柄*上場しています。

個人投資家の方々の活用も広がっており、2014年7月末時点での個人投資家のETF保有金額は6148億円と、前年に比べ15%増加しています。また、日本株指数に連動するETFの保有が最も多くなっていますが、最近では外国株指数に連動するETFの保有残高が600億円を超えるなど、投資する商品の多様化が徐々に進んでいることがうかがえます。

次に売買の傾向を見ますと、日経平均株価やTOPIXといった、身近な指標に連動するETFや、そのレバレッジ型・インバース型ETFの人気が高まっています。特に日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信[ 1570]は、2014年10月の1日平均売買代金が1011億円を記録し、東証全体で最も売買された銘柄になるなど、個人投資家の方を中心に、非常に活発にETF・ETNの売買が行われているといえます。
*名証上場1銘柄含む。2014年12月2日現在

― では具体的に、個人投資家にとってのETF投資のメリットとは、どういった点があげられるでしょうか。また、デメリットがあるとすれば、どのようなことが考えられますか。

小沼: ①手軽に分散投資ができること、②信託報酬が低いこと、が大きなメリットです。分散投資については、例えば、日経平均株価の構成銘柄をすべて保有しようとすると、数億円単位の資金が必要となりますが、ETFを利用すれば1銘柄を保有するだけで、連動する指標に含まれる銘柄全体に投資をすることと同じ効果を得られます。

次に信託報酬ですが、信託報酬とは投資信託を保有している期間に運用・管理サービスの代価として、投資信託の財産のなかから負担する費用のことをいいます。この費用は年率○%といった形で公表され、この数字が小さいほど費用負担が少なく投資家のメリットが大きくなります。ETFの信託報酬は、ほぼすべての銘柄が1%以下となっており、一般的な公募投信と比べて非常に低い傾向があります。

ETFへの投資は、株式と同じように、株価×売買単位での取引です。投資信託では1日1回決まる基準価額で売買することとなりますが、ETFの場合、ご自身で値段を指定(指値)して売買を行うことができるというメリットがあります。

一方で売買する金額、例えば1万円分の売買をしたいといった形で取引を行うことができないというデメリットがあります。しかし、ETFの7割以上は2万円以下の単位で売買することができるので、ご自身が希望する価格に近い形での売買が可能ではないでしょうか。

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― NISAを利用してETF投資を考えた場合、投資をする際のポイントなどを教えていただけますか。

小沼: 証券会社で開設したNISA口座であれば、ETFをNISA口座で取引することが可能です。ETFは信託報酬が低く、手軽に分散投資ができる投資商品ですから、NISA口座で保有するにはピッタリの商品だと考えています。

また、多くの資産に連動する商品が上場していますので、100万円という投資枠のなかで、さまざまなETFに分散して投資することができますし、1売買単位の投資金額が小さいため、購入するタイミングを複数回に分けて投資することも可能です。

NISA口座で高い配当利回りの商品に投資したいという方も多いと思いますが、東証には高配当株やREIT、外国債券などに投資するETFも上場しています。これらの平均利回りは3%を超える水準で推移していますし、毎月分配型のETFも上場していますので、ぜひ活用していただきたいですね。

また最近では、「JPX日経インデックス400」に連動するETFに注目が集まっています。この指数はROEや収益性で銘柄選定を行った、いわば日本の優良企業400社を集めた指数です。

NISA口座で投資するにあたり、この指数の構成銘柄に直接投資するという方法もありますし、この指数に連動するETFに投資することで、優良企業全体に幅広く投資をするという方法も可能ではないでしょうか。