vatican

日本の経済や社会への先行き不安、相続税対策、物価水準が異なることによる生活水準の改善、純粋な欲求等の理由で、日本を出て海外で生活をしたいとお考えの方も多いのではないでしょうか。

今回は、特に退職後の生活を海外で送ることに関心のある方に向けて、オセアニア・欧州・アジア・北米・中南米ごとにそれぞれの地域で移住先として人気の高い国の概要や、移住の手続き(査証や永住権、不動産の購入になど)についての比較を簡潔にまとめました。

◯欧州

欧州は、歴史ある街並や、高い経済水準、また日本人の持つ憧れから移住先として人気の高い地域。
他の地域に比べて物価などが安いとは言えないが、治安が悪くない事、観光地的な魅力が高い事、子女の教育にも適している事などが魅力。

【マルタ】

Malta

イタリア半島の先にある地中海の小さな島国で、不動産は高いものの英語圏であり生活しやすい事が魅力。

①概要

人口:41万人
面積:316k㎡
首都:バレッタ
宗教:キリスト教
言語:マルタ語、英語

・邦人は2011年10月統計で86人と大変少ない。
・英語圏。面積は淡路島の3分の2、世界遺産にも指定され、16世紀の建造物が残る町並みはとても情緒豊か。
・周囲は青い海に囲まれ新鮮な魚介類も豊富。欧州各国から、多くの人が訪れるリゾートとしても有名。
・近年、政府が海外投資の誘致、オフショア・ビジネスの活性化に積極的に取り組んでいる。
・日本からマルタへの直行便はなく、一般的にヨーロッパ主要都市からの乗り継ぎとなる。
・日本から乗り継ぎ地まで12~13時間、マルタまでロンドンからは約3時間30分、ウィーン、チューリッヒからは2時間30分、ローマから1時間30分のフライトの為便によっては同日到着も可能。

②観光査証、または長期滞在

・観光目的の場合は査証免除となるが、マルタを含むEU圏では6ヶ月以内で90日間の滞在に限定される。
・連続して90日間滞在すると、90日間をEU圏外で過ごさなければ、EU圏に再入国出来ない。

③永住権やリタイアメント査証など

・条件は厳しいが、富裕層向けの特別永住制度あり。
・年間2万~2万5千ユーロ(扶養家族は1人につき5千ユーロ)の居住税の支払い。
・40万ユーロ以上の住宅購入、または年間家賃2万ユーロ以上の賃貸住居契約を行う人等。
・英国のリタイアメント移住者が多い。

④不動産の取得

・外国人の土地と住宅の購入は認められているが、事前許可を得た上で一定金額以上の物件の購入に限られている。
・小さな国なので、土地が少ない関係から賃貸し・売買共に高い。

⑤生活・治安・その他

・住宅を除く物価は日本と同じ水準か、少し高め。
・治安は大変良好で夜の一人歩きでも安全と言われる。

駐日マルタ大使館

【イタリア】

Colosseo

日本人に人気の観光旅行先でもあり、土地と住宅の売買が自由なのが魅力。

①概要

人口:5930万人
面積:30万k㎡
首都:ローマ
宗教:キリスト教(カトリック)
言語:イタリア語

・在留邦人は約12500名で、日本からの距離は直行便で12時間程度。
・現地の日本法人は180社程で、最盛期の4分の1に縮小している。
・北部と南部では生活環境が異なり、南部に行く程陽気な土地柄となる。イタリア語の知識が生活する上では必要。

②観光査証、または長期滞在

・観光目的の場合は査証免除となるが、マルタを含むEU圏では6ヶ月以内で90日間の滞在に限定される。
・連続して90日間滞在すると、90日間をEU圏外で過ごさなければ、EU圏に再入国出来ない。

③永住権やリタイアメント査証など

・リタイメント査証は年齢不問だが、イタリアで住居を購入する事が条件となる。
・収入がなくても生活出来る経済力の証明も必要。ただし規定額は特に定められていない。
・在日大使館でここの事情に応じた審査があり、親切に相談に乗ってくれる。

④不動産の取得

・日本と同様に、土地と住宅の売買は自由。

⑤生活・治安・その他

・生活費は都市によって異なってくるが、日本と同じ水準。
・治安は概ね良好。ただし観光客が多いので、トラブルに注意。
・住環境は賃貸しの場合、築20~30年の古い建物が多い。
・医療が大変充実しており、税金を支払っている外国人は公的医療保険に加入でき、無料でサービス受ける事も可能。
・ホームドクターがほしい場合、区役所にて医師を紹介してくれる。

駐日イタリア大使館