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ネット証券のサービス比較をしていますが、今回は売買手数料以外のサービスとそのコスト面を中心に見ていきましょう。
低コストで使い勝手のよいネット証券とはいえ、利用開始後に少しずつ気になってくるのがさまざまなコストです。それがサービス内容に見合っていればいいですし、同じサービスなら安いほうがいいわけです。今回はSBI証券・楽天証券・カブドットコム証券・マネックス証券・GMOクリック証券・松井証券の6社を比較検討してみました。


●ネット証券 使い続けて気になるサービスのコスト


ネット証券の口座開設で、最初に気になるのは売買手数料と売買できる金融商品のラインナップでしょう。ですが、利用しはじめてから気になってくるのは、そのほかのサービスやコストです。取引ツールは無料で使えるのか? より高度な情報はいくらかかるのか? 運用していて必要になる入出金、確定申告などに必要な書面などなど。
こうした部分でもネット証券会社の考え方がはっきり出てくることがあります。また、ネット証券は基本的に「すべてネットでやるから安くなる」のです。ネット以外での方法(電話や郵送など)でコストが高くなるのはいたしかたないという割り切りです。
さらに、多くの顧客が利用するサービスはできるだけ無料にし、一部の人しか恩恵を受けないサービスは別途料金になっていく傾向も見られます。


●ネット証券会社の口座管理料や入出金コストは?


もっとも多くの人が利用する口座開設費用、口座管理料、入出金手数料は、ほとんどが無料です。一部に例外的に有料設定があります。松井証券は必要な書面交付も電子でやっていますが、もしこれを郵送にすると別途料金がかかります。料金を払えば郵送しますよ、というわけです。
入金については提携金融機関、即時入金などのサービスを利用すれば6社とも無料。別の金融機関から自分で振り込むときは振込手数料を負担することになります。出金もほとんどが無料で対応しています。松井証券は「即時出金」という便利なサービスを振込手数料程度の有料で提供しています。ほかの出金方法なら無料ですから、必要な人には応分に負担してもらおう、ということでしょう。
確定申告に必要な書面などを別途、請求した場合は多くの場合が有料での対応となりますので、その点も注意が必要です。


●為替手数料などお得なネット証券は?


FXや外国証券、外国債券を利用する人にとって気になるのは、為替手数料です。銀行などを使うと高い手数料ですが、ネット証券では当然、安くなっていきます。これが魅力で利用している人も多いと思います。
ネット証券6社は自社で外貨建ての商品を扱うほか、グループで一体となってFXを扱っており、証券会社に口座開設すると、FX口座も比較的簡単に開設できます。
そのため、国内証券や投信からはじめた個人投資家も、為替取引へと広げるチャンスがありますから、為替手数料も利用をはじめてみると気になってきます。

手数料

外貨MMF為替のスプレッド例

米ドル/円

FXの為替スプレッド例

米ドル/円

SBI証券

無料

25銭

FX0.8~1.2銭

楽天証券

無料

25銭

FX0.5銭より

カブドットコム証券

無料

20銭

FXシステムトレードは0.5銭より

マネックス証券

無料

25銭

FX1.6~2.0銭

GMOクリック証券

無料

※参考:豪ドル50銭

FX0.3銭~

松井証券

無料

20銭

FX1銭

表では、外貨MMFを取引するときのスプレッドと、FXで取引するときのスプレッドを例示しました。

外貨取引の手数料はどこも無料です。スプレッド(取引時に為替レートに反映される手数料)の設定のみとなっています。当然、このスプレッドは変化しますし、経営戦略、キャンペーンなどで特定の通貨のスプレッドを意図的に引き下げることもあります。GMOクリック証券は米ドル/円のスプレッドを0.4銭から0.3銭に引き下げました。なお同社は外債は一部しか扱っておらず、参考までに豪ドルを例示しています。
他社も通貨によってスプレッドは違ってきますから、よく確認しておく必要があります。いわば得意な通貨、不得意な通貨があるということです。
スプレッドは、円で外貨を買うときはスプレッド分だけ少ない外貨しか買えません。外貨を円にするときにはスプレッド分だけ少ない円しか貰えないわけです。