●ネット証券会社の便利な情報サービスのコストは?


投資をはじめて日々気づくことは、取引ツールと情報をいかに活用するか、ということです。
この取引ツール、情報については、無料でたっぷり用意しているオンライン証券と、無料ツール、有料ツールをニーズに合わせて提供しているところ、さらに基本、こうしたものはすべて有料で「必要な投資家が必要なだけ使う」ことを前提としている証券会社にわかれます。

無料ツールと無料の情報をたっぷり提供してくれるのは、 カブドットコム証券 です。ツールは基本、どれも無料で利用できます。カブボード、カブボードチャート、ウルトラチャート、株スコアなど充実しています。また情報面もマーケット情報、株式新聞速報ニュース、会社四季報情報などを無料で提供しています。ほとんどの証券会社が有料設定しているQUICKリサーチネットさえも、一定条件を満たせば無料になるといった具合に力を入れています。

そこに負けず劣らず、むしろ勝っている面もあるのではないかと思えるのが GMOクリック証券 です。スーパーはっちゅう君、はっちゅう君、レーザートレード、iClick株、株roid、モバトレ君とPCからモバイルまで各種ツールを無料で提供しています。情報面でもかんたん銘柄診断、銘柄スクリーニング、適時開示・EDINET、アナリストレポート、ニュース、チャート・時系列データ、四季報・企業情報などまで、基本的に必要なものは無料で用意する姿勢を見せています。

初心者向けとして知られる マネックス証券 もマーケットボードプロ、マネックストレーダーなど取引ツールは無料で利用でき、村上経済レポート、ストラテジーレポート、投資のヒント、機関投資家の声などオリジナリティあふれる情報を無料で提供しています。その一方、マネックストレーダープロαなど本格的なツールは有料で用意。米国プレミアム株価情報なども有料となっています。利用者層によってメリハリをつけているのでしょう。

昔からのファンが多い 松井証券 でも、無料で取引ツールのネットストック・ハイスピード、株価ボード、携帯端末向けの株touch、松井証券FXアプリなどが利用でき、情報面でもQUICK情報などが無料提供されていますから、普段の利用で不便さを感じることはまずないはずです。そしてより高度なニーズに対しては、有料でネットストックトレーダーなどを用意しています。情報面がやや少なめなのは、旧来からある他の情報源を活用しているユーザーが多いからかもしれません。証券会社は「取引がちゃんとできればいい」と考えているのでしょう。

それをさらに推し進めたのが、 SBI証券 楽天証券 です。無料のものはほとんどありません。楽天証券は日経テレコン、四季報情報、中国株式リアルタイム株価を無料で提供していますが、SBI証券はそうしたサービスも特にはうたっておらず、自社のWEBサイトに情報をぎっしり詰め込んで提供するスタイルになっています。
この2社は取引ツールも有料で設定されています。ただし、これを無料で利用できる条件を設けています。SBI証券にはHYPER SBIという優れたツールがありますし、楽天証券もマーケットスピードがありますが、どちらもある程度の取引をしている顧客なら無料で使えます。これは、取引量の少ない顧客によって、取引量の多い顧客が通信状況などで悪影響を受けたくないという気持ちが表れているとも言えます。情報面でもQUICKリサーチネットや海外情報などは有料となっています。必要な人だけどうぞ、ということでしょう。


●複数のネット証券をうまく使い分けよう


ざっと見てきましたが、無料でさまざまなツールや情報が得られるネット証券もあれば、取引してくれる顧客重視の証券会社もあることがおわかりになったと思います。なにが無料でなにが有料か。証券各社の姿勢が明確に出ているとも言えます。
利用する側は、複数のネット証券に口座を開設して、「いいとこどり」をするのがもっともいい方法でしょう。
初心者向けからスタートして、勉強してきたら物足りなくなっていく可能性もあります。そんなときは、自分に合ったネット証券を探してそこにも口座を開設するのです。口座開設、管理だけなら無料なのですから。また、ほとんどのネット証券が株式や投信の移管料を無料にしていますので、そのことも考慮にいれて、使い勝手のいい証券会社を2社または3社、使い分けていくといいでしょう。
投資も分散投資がいいとされています。だったら、利用するネット証券も分散してみてはいかがでしょうか。

>> SBI証券の口座開設はこちらから
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BY T.M:金融ライター歴および投資歴20年超、経済、経営分野での執筆も多数。

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