平成26年度の国の一般会計税収は、26年度補正予算を作った今年1月の見積額51兆7千億円から大幅に上振れし、53兆9千億円台に達したと報じられている。

財務省は毎月『租税及び印紙収入、収入額調』という統計を出しており、上記の26年度税収とは、同資料の平成27年度5月版に基づく平成26年度決算額(概数)を意味する。概数となっているのは、最終集計(6月末)までに収納される税収もわずかながら残っているからだ。

『上振れ』とは、この決算税収額が予算編成時の見積もりと比べて増加したという意味である。消費税率の引き上げのような政策増収は『予算』に反映済みだから、ここでの『上振れ』は『自然増収』と呼ばれることもある。具体的な数値には当初予算対比、補正予算対比の2つがあるが、ここでは後者に着目して、『上振れ』の要因を列挙しよう。

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上の表から明らかなとおり、『上振れ』は平成26年度に限った話ではないが、「一般会計税収計」の2.24兆円という大きさは、絶対額でも増収寄与度(4.3%)でも、過去2年を大きく上回るものだ。税目別に吟味すると、寄与度が最大なのは所得税(1.9%)、次いで消費税(1.3%)、法人税(1.0%)と続く。「その他」は十数項目の合計だが、酒税、自動車重量税などを中心に『下振れ』気味となっている。

こうした“振れ”の原因としては、租税弾性値など税収予測上のテクニカルな想定が過度に“控え目”だったこともあろうが、基本的には予想以上の順調な景気回復の効果と考えてよいだろう。