(写真=PIXTA)

ウォーレン・バフェット。株式投資をなりわいにする人であれば知らない人はいないだろう。1930年アメリカ・ネブラスカ州生まれ。経済誌「フォーブス」の2015年世界長者番付で、第3位に入る大富豪にして「オマハの賢人」「投資の神様」ともいわれる著名な投資家だ。5月に開催された、バフェットが会長兼CEOを務める投資持株会社バークシャー・ハサウェイ(以下「バ社」)の株主総会には4万人が詰めかけ、「賢人」「神様」が発する投資や経営にまつわる数々の金言に耳を傾けた。

727億ドルといわれるバフェットの資産のほとんどは、最大株主となっているバ社の株式だ。バフェットが学生時代にコツコツためた1万ドルを元手と考えるなら、727万倍という途方もない数字である。奇しくもバフェットについて書かれた伝記のタイトルは「THE SNOWBALL」。雪ダルマ式にふくれ上がった資産を象徴するにふさわしい書名といえる。

バフェットの投資哲学はいわゆる「バリュー株投資」「成長株投資」が基本である。多くの情報を集めた上で企業本来の価値と比較して株価が低水準にあり、中長期的に成長が見込まれる企業が選ばれている。元々は繊維会社だったバ社も典型的なバリュー株投資先の一つだ。バ社の資産内容と比較した株価が極端に安値だったことから、1960年代半ばに株を買い集めて経営の支配権を握った。

一方で不確定要素が大きく業績の変動が極端になりがちなベンチャー企業は敬遠される。「何をしているのかよく分からない」企業は投資対象にならないということだ。それよりは長年安定成長を続けてきた、消費者に身近な商品やサービスを提供する企業の方が安心して投資対象に選ぶことができる。バフェットの好みは、市場で独占的あるいは優位に立つ事業を持つ企業や高いブランド力を持つ企業だ。

例えばバ社の保有銘柄であればIBM、コカ・コーラ、P&G、アメリカン・エキスプレス、ウォルマートなどは、社名を聞けば事業内容や商品、市場での優位性が容易に思い浮かぶだろう。またバ社の最大投資先となるウェルズ・ファーゴは、日本での知名度は低いが個人向けローンでは米国内トップクラスの優良銀行だ。

そして短期の値上がり・値下がりに惑わされず中長期にわたる保有で企業の成長に見合う配当を手にする一方、投資判断に変更があれば売却して十分な利益を確保している。近年バ社が買い増ししているIBM株は高値圏での購入と疑問視する声もあるが、こちらはバリュー株というより成長株としての評価といえよう。「並の企業を安く買うよりも、優良企業を適正な値段で買う方がずっと良い」というバフェットの言葉がそのまま当てはまる事例だ。

ところでバフェットが初めて株式投資の行ったのは11歳のときだ。1株38.3ドルで3株購入したが株価は一時大きく割り込んだ末、40ドルまで回復した段階で売却したのである。しかしその後の急騰で株価は202ドルまで上昇した。このときの教訓が短期的な売買のリスクを避ける戒めになっているかもしれない。

バフェットの投資法は単純に数字だけを見て判断できるものではないが、あえて挙げるなら株主資本利益率(ROE)や売上高営業利益率が継続的に高いこと、安定成長が継続していること、利益に対して有利子負債が適性範囲に収まっていることだろうか。数値以外の面では事業内容の分かりやすさ・単純さや経営者の能力・意欲、事業の将来性が材料となる。

その「賢人」「神様」といわれるバフェットさえ、すべての投資案件に成功しているわけではないのだ。われわれ市井の投資家は、バフェットを見習うなかでいくばくかのリターンが得られればそれを幸いとするべきだろう。(提供: Vortex online

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