国際化社会といわれて久しいが、「実感することはそんなにはない」という家庭が多いのではないだろうか。しかし、夫が会社から海外転勤を命じられたり、子供が留学することになったりということになると話は別だ。一気に「国際化」が現実となってくる。
海外転勤は多くの場合栄転だろうし、留学も希望に夢をふくらませてのことだろう。これは妻や家族にとっても喜ばしいことである。しかし、不慣れな海外生活への一抹の不安があるのも事実だろう。そこで、そんな心配を解消するために事前に日本でしておくべき5つのポイントとなる事柄を指南していこう。
国外転出届の手続きを忘れずに!
公的機関などへの各種手続きや届けを、きちんとやっておくことが大切だ。これらを怠ると生活に支障がでたり、経済的損失を被ることになったりするからだ。特に重要なのは国外転出届。これは役所によって対応が異なるが、基本的には1年以上海外に滞在する場合を目安として届け出が必要となる。これを出すことによって住民税の対象とならなくなるので節税にもなるのだ。
注意点としては海外転出届を出すと国民保険の加入は抹消され、保険証の返納をしなくてはならなくなる。ただし任意加入は可能なので、状況に応じてどうするかを決めるといいだろう。
空き家になる自宅の管理の方法はこれ!
海外転勤の場合は長期間自宅を空けることになる。こんな時は空き家の管理サービスが便利だ。定期的に自宅内や家の周りを巡回して、通気・換気、簡単な清掃や通水、雨漏りやカビの確認をしてくれたり、庭木やメンテナンスの確認や郵便物の整理なども代行してくれたりする。
しかし「どうせなら家賃収入を得たい」という人にはリロケーションがお勧めだ。これは期間限定で自宅を賃貸として活用するものだ。家賃滞納保証や空室保証などの付加サービス付きのものも多いので、安心して留守宅を任せることができるだろう。
海外送金手数料が無料、便利な現地通貨の引出し術
例えば、子供が海外留学をするのであれば定期的に海外に送金する際の手数料について考える必要がある。SMBC信託銀行プレスティアの場合、一定の残高を預け入れ「PRESTIA GOLD」になれば、海外送金手数料が無料になる。
また、SMBC信託銀行プレスティアのキャッシュカードを使えば、世界200ヵ国200万台のATMやCD(キャッシュディスペンサー)で現地通貨を引き出せる。留学や海外赴任の際に頼れる存在となるだろう。さらには、同行の米ドル普通預金口座に米ドルを預け入れておけば、米ドル専用キャッシュカードを使って日本の口座にある米ドルを、米国内のATMやCDで引き出すことができる。円から米ドルに通貨交換する際に為替手数料はかかるが、相場を見て米ドルに交換して口座に入れておけば、引出時には為替手数料や為替相場を気にせず引き出せる(引出時の手数料は別途かかる)。
自家用車の処分はこうしよう
海外での赴任期間にもよるが、ほとんどの場合、知人に譲るか買い取り業者に売るかのどちらかだろう。でも出国直前まで使いたいと思う人が多いのではないか。そうするとクルマに関する手続きが遅れがちになってしまい、売却に必要な書類に不備があって苦労したり、名義変更をしないままにしたりして、税金の催促状が届くといったことになることもあるようだ。
そんな事態に陥らないために買い取り業者に売却する場合の裏技を教えよう。それは出国の2ヶ月前ぐらいまでに複数の業者と買い取りの相談をすることだ。その時にクルマを買い取った後も、出発直前まで代車を無料で貸し出してくれるかリクエストしてみることだ。
そこでその条件をうけてくれる業者なら、少々買い取り価格が安くともトータルで考えた場合、安心料も含まれていると思ってその会社と契約するがベストだろう。
病歴等の記載と紹介状を英文で書いてもらおう
病気になったり、怪我をしたりすることは、日本にいようがいまいが関係ない。だからきちんとそういった場合のリスクも考えなくてはいけない。医療保険などは忘れることはまずないが、自身の病歴などについての紹介状の用意は意外と忘れてしまうことが多く、現地で慣れない言語で説明するのに苦労したという話はよく聞く。
それを避けるために、転勤・留学先の言語か、もしくは世界共通語ともいうべき英語で、病歴等をかかりつけの医師に書いて貰うのがいい。とはいえ、外国語が苦手の医師の場合は、日本語で作成してもらって、それを翻訳業者に訳してもらうのもいいし、インターネットの無料の翻訳サイトを使えば完璧とはいかないものの結構通じるので、それを活用するのもいいだろう。
海外転勤や留学は、誰もが経験できることではない。初めてのことで不安も多いだろうが、案ずるより産むが易し。海外での生活は、たくさんの素敵な思い出や貴重な体験を、間違いなくもたらしてくれるはずだ。