(3)建設業界

建設業界は消費増税を追い風に中期的には底堅い受注があるのではないでしょうか。

大きく2つのイベントがあります。1つは2020年の東京オリンピックです。この東京オリンピックに向けて、臨海部はもちろん、都心部も大きく変貌を遂げようとしています。再開発計画はこれからも目白押しであり、この恩恵は少なくありません。また、喫緊の懸念として高速道路や橋梁の修復工事があります。これは先延ばしにできる問題でもなく、また、今回の消費増税を受け、わずかながらでも潤った国の財政を背景に積極的に公共工事が行われることが予想されます。

となれば、大手建設会社のみならず、中堅建設会社にもチャンスがあるのではないでしょうか。再開発銘柄でいえば、渋谷駅前再開発案件を継続的に受注できる東急建設(証券コード1720)や、橋梁、ビルなどコンクリート構造物補修の先駆けと言われているショーボンドホールディングス(証券コード1414)は注目銘柄と言ってよいのではないでしょうか。株式市場が弱気になった時に狙ってみるのも面白いと思います。


(4)IT業界

公共工事と同じく、国家が主導して行っていく事業としてマイナンバー制度に注目しておくのも面白いと思います。マイナンバー制度が本格的に始まれば、金融機関を始め、様々なところで、システム投資需要が期待できます。これも税収アップ分で振り分けられる予算に期待が持てます。

また、喫緊では消費税の改正によるシステム投資需要が高まっています。IT業界の中でもシステム系に注目と言ったところです。割安感から見て、中堅のシステム系企業に投資をしておくのも面白いと思います。具体的には小学館が大株主となっているCACHoldings(証券コード4725)、年商の3割がりそな銀行向けであるAGS(証券コード3648)等は財務内容も良く、配当利回りも高めであるため、持っていても安心感があるのではないでしょうか。


増税を見据えた投資はどう行うべきか?

しばしば増税は「支払額が増す」というネガティブな部分ばかりが捉えられがちです。そして財布の紐も固くなりがちです。確かに前回の3%から5%への消費税引き上げの際には景気は落ち込み、長いデフレーションからなかなか抜け出すことができませんでした。 しかしながら、増税により国家財政が潤う、支払額が増す以上の付加価値を付けようと企業が努力しているという面を考慮すれば、必ずしもネガティブなことばかりではありません。投資をする際には、「増税」の先に何があるのかということを考えてみると良いでしょう。

今回挙げた銘柄や業界以外にも、個別に光る銘柄は少なからずあるはずです。頭を働かせながら、または、生活の中で目を凝らしながら、きらりと光る企業を見つけるのも投資の楽しみと言えるのでしょう。

BY ista:のんびり投資家