日本、韓国、スペイン、ポルトガル、ギリシャ――。これらの国々の共通点が分かるだろうか?

実はこれは、今後高齢化が進む恐れが高い国を順にピックアップしたものだ。国連がまとめた、2050年時点での60歳以上が総人口に占める割合が多い上位5カ国なのだ。以下の図を見ると、すべての国で60歳以上の割合が4割を超えることが分かる。

qol


現時点では日本の高齢者のQOLは高いが……

高齢者が多いと社会保障費の負担が重くなる。だから現役世代にとっては頭が痛い。だが高齢者自身にとっては話は別だ。

ロンドンのNGOヘルプエイジ・インターナショナルが収入面、健康面、就労・就学率、支援環境の観点から高齢者のQOL(クオリティ・オブ・ライフ)をまとめたランキングでは、日本は調査が実施された全96カ国中8位であった。理由としては、健康の観点で世界1位であり「早い時期から健康や教育に力を入れており、国民皆保険制度を確立させていた」などと述べられている。

一方、上で紹介した国連のデータで高齢化率が世界で5番目に高いとされたギリシャに関しては、QOLの世界順位は79位という結果に。特に支援環境の観点で世界91位とほぼ最下位であり、理由として、ユーロ圏にとどまるための救済措置と引き換えに年金削減を迫られたことなどが挙げられている。

日本は現状では、高齢者が住みやすい国といえる。しかしこれはあくまで2015年、現時点の高齢者のQOLだ。今後増える高齢者に、今と同じ水準の年金が支払われるとは思えない。

2050年に高齢者になっているのは、今のいま30歳の世代。この世代が65歳になる35年後、果たして日本は高齢者が住みやすい国のままだろうか?(ZUU online 編集部)

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