9月米雇用統計
(写真=Getty Images)

注目の米国9月の雇用統計が10月2日、日本時間21時30分に発表される。米連邦準備制度理事会(FRB)は世界景気に対する懸念から、9月の連邦公開市場委員会(FOMC)での利上げを見送ったばかり。イエレン議長はその後の記者会見などで、年内の利上げを適当だと考えている発言を繰り返しており、9月の雇用統計の注目度は高まっている。

雇用統計の非農業部門雇用者数(NFP)がコンセンサスを上回り米景気の回復を確認できるものであれば、年内の利上げ観測が強まるだろう。コンセンサスを上回るポジティブ・サプライズならばドル買い、ネガティブ・サプライズならばドル売りを予想する向きが多い。


FOMC通過後に年内利上げ時期の確率は後退

雇用統計は米国労働省(BLS)が発表する統計で、翌月の第一金曜日に発表される。FRBが金融政策を決定するのに最も重視している経済指標である。特に失業率と非農業部門雇用者数に市場の注目が集まる。

ブルームバーグが集計したエコノミスト予想中央値(コンセンサス)は、非農業部門雇用者数は前月比20万3000人増となる見通し。8月の17万3000人増を上回り、今年の平均の21万2000人増をも上回る。失業率は5.1%と8月と変わらずの予想。米国が6年ぶり利上げに動き、欧州・日本が低金利継続なら、米国と欧州・日本との金利差拡大からドル高に動くというのが大方の見方だ。

市場が織り込んでいる利上げ時期の確率をシカゴ・マーカンタイル取引所(CME)の9月29日のフェデラル・ファンド金利先物から計算すると、10月が11%、12月が39%となっている。FOMC前は、9月利上げが30%、12月利上げが60%程度だったのと比べ、年内利上げ予想はかなり後退した。市場は中国発の景気後退懸念でFRBが利上げしたくてもできないという事を織り込み始めている。

実際に、ドルロング(ドル買い)のポジションは急減している。全米先物取引委員会(CFTC)の通貨先物市場(IMM)の通貨の投機筋のポジション残高を見ると明らかだ。

円は、8月11日にネットショート(売りの総数)で10万5226枚と6月9日に次ぐ今年2番目のショート残高だった。それが、雇用統計後の9月8日には、6662枚のネットショートまで急減している。早期利上げでドル高にベットするポジションは一気に解消してしまった。その後9月22日現在でネットショートは2万3678枚まで増えたが、9月の雇用統計前とは比較にならないレベルだ。


発表後は為替の動き以上に米国株の動きに注目

株式市場や為替の動きを予想する上で、8月の雇用統計の数字とその後の動きを振り返っておこう。9月4日発表の8月の雇用統計は、非農業部門雇用者数が+17万3000人増でコンセンサスの+21万7000人増を大きく下回るネガティブ・サプライズだった。

このニュースに反応して一瞬ドルは買われ、米国株は急騰した。ネガティブということは、低金利継続で、事前の予想ではドル安、株高が見込まれていた。株は素直に反応し急騰したが、為替は逆の動きを一瞬見せた。

しかし、雇用統計の詳細を見ると雇用の改善傾向には変化がなく、むしろ失業率が5.1%と米国においては完全雇用に近い状態になったことを評価するコメントが増え始めると、NYダウは一転急落、引けは272ポイント安となった。ドルはダウが大幅安となるのを見て、ドル円で120円台から一時118円台まで売られた。

最近は株のボラティリティが高く、為替のトレーダーも米国株や中国株を見ているような傾向もあり、為替の動き以上に米国株の動きに注目したほうがいいかもしれない。ただ、投機筋のポジションが8月の雇用統計のときほど大きく傾いていないだけに、雇用統計のサプライズには素直に反応する可能性が高いと予想する。 (ZUU online 編集部)

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