資産運用の方針を決定するうえで、利回りの概念は重要な要素だ。しかし、利回り0.02%、1.0%と言われても、それがどれくらいでどの程度の利益となるのか、すぐに想像できるだろうか。以下では、「0.02%、1.0%、2.0%、4.0%、6.0%、8.0%」利回りごとに、100万円を複利で20年間運用した場合、どれくらいの利益となるのかをまとめた。
【あわせて読みたい】
100万円で79万円儲かる?「究極の」資産運用術とは
100万円を利回り0.02%で資産運用した場合
(写真=PIXTA)
まずは利回りが0.02%の場合を確認する。これは大手銀行などで1年物の定期預金を組んだ際に得られる利回りである。特にこれといった資産運用を行わず、銀行に資産を預けると、それは以下のよう推移していく。
運用年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 100.02 | 100.04 | 100.06 | 100.08 | 100.10 | 100.12 | 100.14 | 100.16 | 100.18 | 100.20 |
運用年数 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 | 15年目 | 16年目 | 17年目 | 18年目 | 19年目 | 20年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 100.22 | 100.24 | 100.26 | 100.28 | 100.30 | 100.32 | 100.34 | 100.36 | 100.38 | 100.40 |
利回り0.02%、定期預金では、100万円を20年間運用しても、4000円しか利益が得られないのである。今の時代、資産を銀行口座で眠らせておくだけでは資産は雀の涙ほどしか増えないことが見てとれる。この数字を念頭に、以下の利回りで資産を運用した場合をそれぞれみていく。
・元本800万円は20年でどこまで増える?
・仕組み債とは?仕組みとメリット、リスクを解説
・「つみたてNISA」と「iDeCo」 どちらを選ぶべきか
・国際分散投資のススメ
100万円を利回り1.0%で資産運用した場合
次に、利回りが1%の場合はどうなるだろうか。これは国債を20年ほど保有していた場合に得られる利回りである。あなたが資産運用において国債、もしくはそれと同等の利回りの金融商品、を選択した場合、資産は今後以下のように推移していく。
運用年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 101.00 | 102.01 | 103.03 | 104.06 | 105.10 | 106.15 | 107.21 | 108.29 | 109.37 | 110.46 |
運用年数 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 | 15年目 | 16年目 | 17年目 | 18年目 | 19年目 | 20年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 111.57 | 112.68 | 113.81 | 114.95 | 116.10 | 117.26 | 118.43 | 119.61 | 120.81 | 122.02 |
利回り1%になると、20年間で22万円の利益を得ることができる。国債について見てみると、これは国が元本を保証するものであり、リスクはほとんどないと言って良い。この利回りの他の金融商品も同様にリスクが低い。長期的に、堅実に、資産運用を行いたい方には、この利回りが最適であろう。
100万円を利回り2.0%で資産運用した場合
次は、利回りが2.0%の場合を見てみよう。これは利回りの比較的高い社債を保有していた場合などに得られる。あなたが、社債やそれに準ずる金融商品に投資することを選択した場合、資産は以下のように推移していく。
運用年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 102.00 | 104.04 | 106.12 | 108.24 | 110.41 | 112.62 | 114.87 | 117.17 | 119.51 | 121.90 |
運用年数 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 | 15年目 | 16年目 | 17年目 | 18年目 | 19年目 | 20年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 124.34 | 126.82 | 129.36 | 131.95 | 134.59 | 137.28 | 140.02 | 142.82 | 145.68 | 148.59 |
利回り2.0%での運用においては、100万円が20年間で約150万円になる。社債は基本的には元本が保証されるが、その社債を発行している企業が倒産してしまった場合には、リターンは0になってしまう。大企業の社債を購入しても、このリスクは完全には拭えない。資産を増やすためには少しばかりのリスクは背負っても良いと感じる方には、この利回りが最適であろう。
100万円を利回り4.0%で資産運用した場合
それでは、利回りが4.0%の場合はどうなるのであろうか。この利回りは、配当の比較的高い株を保有していた場合に、その配当から得られるものである。長期にわたって高配当の株を保有し続けた場合、もしくはそれに準ずるリスクを孕む運用を行った場合、資産は今後以下のように推移していく。
運用年数 | 1年目 | 2年目 | 3年目 | 4年目 | 5年目 | 6年目 | 7年目 | 8年目 | 9年目 | 10年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 104.00 | 108.16 | 112.49 | 116.99 | 121.67 | 126.53 | 131.59 | 136.86 | 142.33 | 148.02 |
運用年数 | 11年目 | 12年目 | 13年目 | 14年目 | 15年目 | 16年目 | 17年目 | 18年目 | 19年目 | 20年目 |
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
合計 (万円) | 153.95 | 160.10 | 166.51 | 173.17 | 180.10 | 187.30 | 194.79 | 202.58 | 210.68 | 219.11 |
利回り4.0%での運用を長期的に行えると、100万円が20年間で約220万円になる。この利回りで運用するとなると、株価の下落などのリスクも付きまとうようになる。得られる利益とリスクを考慮し、このリスクは許容できる、と感じる方にはこの利回りが最適であろう。