それでも就職に強いと評価される理由は何だろうか。明治大学が志願者数でトップを走り続けた理由と共通するものがありそうだ。
リーマンショック以降、受験生の意識に変化があり、憧れ校よりチャレンジ校を目指す受験生が増えているだろう。不景気の世の中で、早稲田や慶應を記念受験する余裕がなくなってきている中、「頑張れば行ける有名大学」というポジションを確立したという側面も確かにある。国立大の併願先として明治を志願する受験生は多い。
しかしそれだけでは、同じような位置づけにある大学の中で、明治大が頭一つ抜けたことの説明がつかない。
明治大は、大学改革に積極的で、学部学科のラインナップも多様になり、キャンパス環境の改善への投資も惜しまなかった。1998年に建設された「リバティータワー」に象徴されるように、イメージづくりにも力をいれてきた。入試改革、教育内容、教育環境、学生のサポート体制、明治の世界観やブランドの確立に対して、あらゆる面で中長期的視点に立ち、努力してきたことが実を結んだのだ。
明治大学の就職キャリア支援部の9割はOB・OGで、セミナーなどを業者に丸投げしないのが特徴である。学生の気質をよく知っている専任職員がCDA(キャリアカウンセラー)の資格を取り相談を行っているから、個別相談に訪れる学生の数も多い。
「就職に強い」のではなく、「就職にも強い」ということが、高校で進路を担当する教諭に指示された結果が、6年連続「就職に強い大学」1位という結果につながったのだと言えよう。(ZUU online 編集部)