テクニカル指標
(写真=Thinkstock/Getty Images)

株式投資で一番悩むのは売買のタイミングではないだろうか。銘柄を決めた段階で買いから入るか売り(空売り)から入るか既に決まっているのが普通だが、今すぐ売買すべきか、あるいはもう少し有利な株価になるまで待つ方がいいのか、判断に迷うことも少なくないだろう。

保有株を売却するときも同様で、まだ上がると期待していたらあれよあれよという間に値下がりし、元の木阿弥になってしまった苦い経験をお持ちの方も多いだろう。相場の格言に「もうはまだなり、まだはもうなり」というのがあるが、言い得て妙である。

この売買のタイミングを決める助けとなるのがテクニカル分析、すなわち株価の過去の動きから将来を予想する投資手法である。株の世界にはテクニカルアナリストと呼ばれる株価チャート分析の専門家がいて、複雑な手法や経験則を駆使して株価の予想をしているが、ここでは株式投資の初心者でも使いやすいテクニカル指標を紹介しよう。


テクニカル指標はトレンド系とオシレータ系

テクニカル指標はトレンド系とオシレータ系に大別できる。

名前は難しそうだが、前者は株価が上昇もしくは下落基調にあるかを示し、後者は買われ過ぎや売られ過ぎの状態にあるかどうかの判断に役立つ。いずれも指標グラフを株価チャート(日足が一般的)と一緒に描く、もしくはその下に並べて株価と対比しながら売買の判断材料にする。


テクニカル指標①移動平均線

トレンド系で最も直感的なのは株価の移動平均線だ。これが上向きなら株価は上昇トレンド、下向きなら下降トレンド、横ばいならボックス圏となる。通常は短期(5日が標準的)と長期(同25日)の2本の移動平均線を描き、その方向と相対位置を見る。ともに上向きで短期線が長期線を上抜けることをゴールデンクロス、ともに下向きで短期線が長期線を下抜けるのをデッドクロスと呼び、それぞれ買いと売りのタイミングとされる。


テクニカル指標②ボリンジャーバンド

ボリンジャーバンドも代表的なトレンド系指標だ。株価の移動平均線を中心に上下の値幅を示す線を2本または3本ずつ描き、全体で見ると合計5本または7本の帯(バンド)状のチャートになる。

このバンド幅が広がり始めると新たなトレンドに入ったシグナルになる。上下の線は過去の株価の標準偏差(σ:シグマ)を移動平均に足し引きしたもので、内側から±1σ、±2σ、±3σの幅を示している。

統計学上、この±2σの間に株価が収まる確率は95.4%であることから、株価がこのバンドを抜けると買われ過ぎまたは売られ過ぎと判断する。この点でボリンジャーバンドはオシレータの性格も兼ね備えているといえる。


テクニカル指標③移動平均線乖離率

オシレータ系の代表格は移動平均線乖離率である。新聞の株式市況コメントなどでもよく引き合いに出されるものだ。25日移動平均を使うのが一般的で、乖離率が±5%を超えると株価は行き過ぎの可能性が高く、±10%以上になると売り買いのシグナルになる。


テクニカル指標④RSI

RSI(レラティブ・ストレングス・インデックス:相対性指数)も人気がある。50%を中心に0~100%の範囲で動き、50%を超えれば上昇局面、それを下回ると下降局面と見る。さらに70%を超えれば買われ過ぎ、30%を下回ると売られ過ぎの領域に入り、80%超、20%未満になると売買のシグナルとされる。

ただ、80%や20%を超えた直後でなく、それが再び80%以下、20%以上に戻ったところで売買する方がリターンは若干落ちるが確実性が高まるという方法論もある。

以上、トレンド系とオシレータ系の指標を2つずつ紹介してきたが、このほかに前者ではパラボリックやポイント&フィギュア、オシレータ系でストキャスティクスやMACDなどが使われている。

株価の変動が大きいのか、それとも比較的落ち着いているのかなど、相場の地合いによって信頼性が変わる指標もあるので使い分ける手もある。ほとんどのオンライン証券会社では代表的なテクニカル指標を提供し、わかりやすく解説しているので、自分に合ったものを探してみるとよいだろう。


テクニカル指標⑤一目均衡表

最後に一目(いちもく)均衡表を紹介したい。表という名前が付いているが、実際は非常に複雑なチャートで、約80年前に細田悟一が考案、そのペンネーム一目山人が名前の由来だ。

この指標は目標値がいつ達成されるかという時間軸を予測する。このようなピンポイントの分析手法はほとんど他に例がなく、現在では世界中の市場関係者が愛用している。チャートを構成するのは株価ローソク足のほか、基準線、転換線、先行スパン2系列と遅行スパンで、先行スパンに挟まれた部分は「雲」と呼ばれる。

トレンドとオシレータの両方の性格と時間軸を併せ持つことからサイクル分析指標と分類されることもある。一目均衡表を使いこなすには熟練を要するが、ごく簡単にいえば、株価が雲の上にあれば上昇トレンド、下にあれば下降トレンドにあり、雲の上限と下限が株価との位置関係に応じて支持線や抵抗線になる。詳しく知りたい方には解説書として著名テクニカルアナリスト佐々木英信氏の『一目均衡表の研究』(投資レーダー社)がある。

以上、代表的なテクニカル指標を見てきたが、これらはあくまで投資判断の目安。過信するのは禁物だ。株価にオーバーシュートはつきもので、買いシグナルに従ってもそこからさらに急落することもある。ひとつの指標だけに頼らず、いくつかの指標を併せて参考にするとよいだろう。

また、指標に注目するとともに、投資先企業のニュースや業績動向にも目を配りたい。

とくに個人投資家は最安値で買って最高値で売りたいと願うものだが、たとえば買値から30%上昇したら利益を確定する、10%下落したら損切るなど自分なりのルールを決めておくのもよいかもしれない。格言曰く「頭と尻尾はくれてやれ」である。(ZUU online 編集部)

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