3日前の4月23日(米国現地時間)にFacebook(FB:NASDAQ)の2014年1期の決算が発表されました。 Facebookのレポートでは、
・2013年1期より売上高が72%増加し25億ドル
・2013年1期より広告収入が82%増加し22.7億ドル
・2014年6月にCFO(最高財務責任者)のDavid Ebersmanが退任し、David Wehnerが後任
という見出しで発表されました。全体として好調な決算内容であったので、短期的な市場の反応も良かったわけですが、今後の投資対象として判断する為にも、もう少し冷静に決算内容を見た上で、今後の動向を見てみましょう。
◉Facebook第1四半期決算:損益計算書
まず、図1の損益計算書を見てみましょう。
売上高(Revenue)は14.58億ドルから25.02億ドルに増えており、1年間で71.6%増えています。四捨五入すれば72%になるので、72%という見出しは間違ってはいませんが、わざわざ小数点第一位を四捨五入するという微妙な印象操作が行われている事には留意しなければなりません。
図1:Facebookの損益計算書
出典:Facebook Reports First Quarter 2014 Results
注:特に断りが無い限り、以降の図も同じレポートから引用する。
営業利益は3.73億ドルから10.75億ドルに増えており(前年比188.2%増)、売上高営業利益率は25.6%から43.0%に上がっています(前年比68.0%増)。一株当たり利益(EPS)も0.09ドルから0.25ドルに増えており(前年比177.8%増)、利益面は大幅に改善しており、値自体も優秀と言えるでしょう。
◉Facebook第1四半期決算:
貸借対照表
次に、図2の貸借対照表を見てみましょう。
いつものように当座比率を計算してみます。(流動比率では本質的な短期債務償還能力を測れないので、即時的な換金能力が高い資産のみを使います。)
当座比率 = 当座資産 ÷ 流動負債
当座資産は、ここではCash and cash equivalents(現金及び現金同等物)とMarketable securities(市場性有価証券)とAccounts receivable(売掛金)が該当します。流動負債はCurrent liabilitiesです。
2013年当座比率 = (3323 + 8126 +1109) ÷ 1100 = 1141.6%
2014年当座比率 = (2998 + 9631 + 1006) ÷ 1037 = 1314.9%
で、短期の債務償還能力は極めて高い上、最近はその傾向が続いています。
図2:Facebookの貸借対照表
また、自己資本比率も86.4%から88.0%であり、同業種と比較しても安定的であると言え、少なくとも当座比率と自己資本比率を見る限りは財務の健全性は高いでしょう。