2014年4月1日に消費税が上がり、少なからずの影響を感じている人もいるのではないでしょうか。今回は各国の消費税率と日本の消費税率を比較しつつ、消費税増税の意味を探ってみました。
消費税8%そして10%
2014年4月1日。この日より日本の消費税率は5%から8%に上がりました。消費税率が3%から5%に上がった時期が1997年4月1日ですから実に17年ぶりの税率改定となったわけです。消費税率が変わる直前には駆け込み的な需要もあったようですが、4月に入ってからはどの業界も反動がそれほど大きくなく、比較的落ち着いているようです。
しかし、1年半後の2015年10月には、再び消費税率を上げることを政府が検討しています。そのため、何としても景気が良くなっていなければならず、もしくは景気が良くなっているように見せなければならず、政府と日銀がタッグを組んで、景気を上向けようと躍起になっています。消費税率が8%になり、そして目前に10%が迫っていることによって、企業の対応も忙しさを増しています。スーパーマーケットや百貨店での価格表示は税抜表示が主流となりました。そのため、4月に入ってから、買い物をする際に「価格が安くなった」と勘違いした人も少なくないのではないでしょうか。レジでのお会計の際に思ったより支払額が大きくなりびっくりしたという人もいるでしょう。今まで198円、998円などといったお値打ち感を出していた価格戦略も見直さざるを得なくなった企業もしばしば見かけます。
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日本は何故消費税を上げなければならないのか
では、何故、消費税率を上げなければならないのでしょうか。 それは簡単に言ってしまえば、日本の財政が毎年赤字であるからです。日本の財政はバブル崩壊以降、歳出が増え続け、一方で歳入が減少していました。平成15年以後、歳入が多少上向いたものの、それでも歳出との差はかなり大きなものとなっています。
歳出(平成25年度一般会計歳出総額92兆6,115億円)の中で大きな割合を占めているものが社会保障費と国債費です。なお、平成25年度の社会保障費の予算は29兆円超となっており、さらに今後も毎年8,000億円から1兆円のペースで増え続けることが予想されています。国債は平成25年度予算で22兆円2,415億円が見込まれており、万が一、国債の金利が1%上がれば5兆円程度の利払い費用が増えると言われています。一方で税収は43兆円程度であり、税収で賄いきれない部分を国債で賄っている状況なのです。そのため、税収のアップが急務であり、一律的な負担を求めることができる消費税に白羽の矢が立っているわけです。
各国の消費税率
さて、日本では2014年4月1日以降、消費税率は8%となっていますが、平成25年度における他の国の消費税率を見てみましょう。
例えば、隣国である韓国の消費税率は10%です。中国はもう少し高く17%となっています。今の日本に近い消費税率の国としてはタイやシンガポールが7%となっています。ヨーロッパの国々を見てみると、消費税はかなり高くなってきます。
最も高い国はハンガリーで27%、次いでアイスランド25.5%、クロアチア、スウェーデン、デンマーク、ノルウェーが同率で25%となっています。ヨーロッパにおいて大国であるフランスでも19.6%、ドイツは19%です。ちなみに大国であるアメリカには消費税という概念がありません。但し、似たような税金として売上税と使用税があります。税率は州ごとに異なります。このように、各国の消費税率を比べてみると日本の消費税率は高いとは言えないように思えます。消費税率が10%に上がったとしても、まだフランスやドイツの半分程度です。
しかし、消費税率だけを見ていると重大なことを見落としてしまいます。