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今回は植物工場について取り上げてみました。まだまだ採算面で課題が残りますが、ニーズは強いと考えられる植物工場。具体的な事業展開を取り上げつつ、今後を探ってみました。


植物工場とは

「砂漠の中で野菜を作る」「山間部で海水魚の養殖をする」このような夢の様な話が現実になりつつあります。特に前者は植物工場という形で事業化されており、国による補助金などの支援が行われていたこともあり、農業とは無縁の異業種から多くの参入がありました。

そもそも植物工場とは、室内で温度や光などの環境をコンピューターで制御しながら水耕栽培で農作物を育てる方法をいいます。植物工場を運営するためには照明機器やセンサー、制御機器などが必要となり、植物工場の盛り上がりを受けて、これらの設備メーカーにも恩恵があると考えられます。場所となる空間とそこに配置する設備があれば始められるため、参入障壁はそれほど高いものではありません。多くの企業が注目している分野でもあり、昨年の10月には三井不動産が農業ベンチャーである「みらい」と組んで、千葉県に国内最大級の施設を建設することを発表しました。三井不動産が向上などの投資額を負担し、みらいが借り受け、運営して行くというスキームになっています。


(1)植物工場のメリット

植物工場の問題点は採算性にあります。トラクターなど多少の設備投資をすれば始めることができる一般的な農耕とは異なり、栽培場となる向上、その中に配置する制御装置などの負担を考えると初期投資額はかなり大きなものとなります。また、植物工場の多くは照明機器により日光の代替をしており、電気代は無視できないような金額となります。これらの投資額や運営費は、当然、完成品である野菜に跳ね返ってくるので、野菜の販売単価はどうしても高止まりしてしまいます。

しかしながら、これは農耕が出ている地域での話となります。つまり、砂漠地帯や雨の少ない地域など、農耕ができないような、野菜の収穫が期待できないような地域では、天候に左右されず安定した温度、湿度、日照を確保できる植物工場は重宝されます。これが植物工場のメリットです。また、栄養価を高めることができるという点、一般的な農耕よりも省スペースで事業を行える点もメリットとして挙げることができます。


(2)株式会社みらいとは

植物工場には多くの企業が参入しましたが、採算性が取れず撤退した先も少なくはありません。 そんな中、今、注目されている1社が農業ベンチャーの「みらい」(代表取締役:嶋村茂治)です。2004年に設立された会社ですが、すでに国内14ヶ所以上で植物工場を稼働させており、海外輸出にも力を入れています。最近ではモンゴルへの植物工場輸出が決定しました。また、冒頭でも述べましたように三井不動産と組んで大規模な植物工場の建設運営なども手がけています。「柏の葉スマートシティ」プロジェクトにおける工場の延べ床面積は1,200平方メートルにも及びます。三井不動産のような大手不動産会社と手を組んで事業展開を行っていくということは「みらい」にとっては大きなメリットと言えます。 今回のプロジェクトが成功すれば、地方の地価の安いエリアでの植物工場建設にも弾みがつくでしょうし、都市部の超高層オフィスビルのワンフロアを植物工場にしてしまうというケースも考えられます。また、三井グループの力を得れば、海外進出のハードルもそれほど高くはありません。