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(写真=PIXTA)

「ビジネス環境ランキング」で、日本が34位、世界トップはシンガポール、韓国4位、中国は84位にランクインしたことがわかった。このランキングは世界銀行が行った「ビジネス環境の現状2016:質と効率の評価(Doing Business 2016: Measuring Quality and Efficiency)」によるもの。

同報告書は、 途上国では、起業や経営を容易にするビジネス改革のペースが過去1年間だけでも速まってきていると指摘している。他にも、「2003年には世界平均で51日間であった新規事業の立ち上げ所要日数が、現在ではその半分以下の20日間にまで短縮されている」こともわかった。

同ランキングは、「新規参入」「建設許可の取りやすさ」「電力供給」「不動産登録」「資金調達」「投資家保護」「税金の支払い」「海外貿易事情」「契約履行」「破綻処理」の10の指標に基づいている。


34位日本 「破産処理」能力は2位

昨年(2015年)から4ランクダウンした日本。総合的なビジネス・パフォーマンスという点では同スコア(74.72%)をキープしているが、「個人信用情報へのアクセスの容易さ」や「借り手・貸し手の法的権利」といった「クレジット・カテゴリ(資金調達)」の大幅下降(71位→79位)が総合評価に響いたようだ。

また「新ベンチャーに挑戦しやすい環境」とは言えず(77位→81位)、「税金の支払い面で不満を抱えている中小企業」(120位→121位)が増加傾向にあるほか、「建設許可申請のプロセス」の改善も望まれている(66位→68位)。

しかし「破綻処理」能力は国際的に高く評価されており、昨年から不動の2位という結果に。


4位韓国 10項目中4つがトップ10の評価

アジア圏ではシンガポールに引き続き良いビジネス環境を誇る韓国。昨年に引き続き総合ランキングは4位、パフォーマンスは若干ダウンしたとは言え、未だトップレベルをキープ(83.91%→83.88%)。

10項目中4つがトップ10入り(「電力供給1位」「契約履行2位」「破綻処理4位」「少数株主権8位」)という快挙を成し遂げている。

韓国の弱点は「資金調達(38位→42位)」と昨年一時的に改善が見られた「不動産登録(36位→42位)」の困難さのようだ。また中国とは対照的に、企業にとってはマイナス要素の多い社会保障に関する税制改革などが評価を下げ、「税金の支払い」は27位から29位に後退。

またスタートアップにとってもやや逆風が吹き始めているのも見てとれる(16位→23位)。


84位中国 「契約執行能力」だけが上位にランクイン

社会保険納付基準額の引き下げで上海の企業にかかる負担を軽減。「税金(133位→132位)」と「建設許可申請の容易さ(177位→176位)」は若干改善されている。しかし中国最大の強みは「契約執行能力」(7位)に尽きるだろう。

全体的にランクダウンが目立つ中、昨年せっかく順位を上げた「スタートアップ環境」が再び127位から136位まで下降しているのが残念だ。

総合評価は1つランクダウンしたが、ビジネス・パフォーマンスは0.12アップして62.93%に。(ZUU online 編集部)

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