環境にフレンドリーな社会を目指し「グリーンな発展」を推進する

現在、長期に累積された大気・水・土壌汚染の問題が際立っており、生態環境の改善に対する国民の要求が強烈になっている。

このため、第13次5ヵ年計画期間は資源節約・環境保護を堅持し、資源節約型・環境にフレンドリーな社会の建設を加速し、グリーン・低炭素・循環的な発展を推進して、中国さらには世界の生態系の安全のために貢献しなければならない。


よりハイレベルな開放型経済で「開放的な発展」を推進する

今日の中国は、既に世界最大の貨物貿易国、最大の外貨準備国となっており、外資吸収と対外投資でも世界の前列にいる。中国と世界経済は既に相身互いの構造となっている。

このため、第13次5ヵ年計画期間は、よりハイレベルな開放型経済を発展させ、IMF・世銀・ADBなど世界経済のガバナンスにも積極的に参加し、より広範な利益共同体を構築しなければならない。


中国のすべての国民が「共に享受する発展」を推進する

近年、中国は民生の改善・保障の上で大量の政策を実施し、顕著な成果を得た。しかし、国民の期待に比べれば、公共サービスと社会保障制度はなお不完全であり、サービス・保障の均等化の程度も高くない。

このため、第13次5ヵ年計画期間に実現した発展の成果は、全国民が共に均しく享受するようにしなければならない。

習近平総書記は党5中全会で、「この5大発展理念は、第13次5ヵ年計画ないし更に長期のわが国発展の考え方・方向・注力点を集中的に示したものだ」と述べ、新華社は「重大な理論の刷新である」と絶賛する。これまで歴代の指導者は、毛沢東思想、鄧小平理論、「3つの代表」重要思想(江沢民)、科学的発展観(胡錦濤)と新たな指導思想を提起してきたが、習近平総書記もこれを模索しているのであろう。

【筆者略歴】田中修(たなか・おさむ) 日中産学官交流機構 特別研究員
1982年東京大学法学部卒業、大蔵省入省。1996年から2000年まで在中国日本国大使館経済部に1等書記官・参事官として勤務。帰国後、財務省主計局主計官、信州大学経済学部教授、内閣府参事官を歴任。2009年4月〜9月東京大学客員教授。2009年10月~東京大学EMP講師。2014年4月から中国塾を主宰。学術博士(東京大学)。近著に「スミス、ケインズからピケティまで 世界を読み解く経済思想の授業」(日本実業出版社)、「2011~2015年の中国経済―第12次5ヵ年計画を読む―」(蒼蒼社)、ほか著書多数。

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