消費税率引き上げに伴う負担軽減措置の効果
◆住宅ローン減税は、特に低年齢層に効果があった
「住宅ローン減税」は、住宅を取得した場合に、その住宅に居住した年から10年間、年末の住宅ローン残高に応じて毎年一定額を所得税から控除し、控除しきれない分は翌年の住民税から控除する制度である。消費税率の引き上げに対応して、平成25年度税制改正で適用期間が延長されるとともに、最大控除額が200万円から400万円に倍増され、住民税からの控除上限額も引き上げられるなど、大幅に拡充された。(図表1-4-1)
図表1-4-2は、「住宅ローン減税」を利用した人の割合(適用率)の推移を示している。これをみると全体では、2013年の78.4%から、2014年は80%と1.6ポイントの増加、40歳未満では、2013年の94.6%から、2014年が95.2%と0.6ポイントの増加であり、消費税率の引き上げに伴う取得資金の負担増に対し、「住宅ローン減税」拡充による、負担軽減の効果が認められる。(図表1-4-2)
平成21年度税制改正で、2009年に最大控除額を500万円とする大幅拡充が行われたが、2011年以降最大控除額を段階的に引き下げていく措置が取られた。適用率はそれに呼応するように、全体、40歳未満共に、2010年から2012年に掛けて低下している。
しかし、80%前後で推移する全体に比べ、40歳未満は常に92%以上で推移している。住宅ローン減税が、最大控除額の違いにかかわらず、比較的年収の低い40歳未満の住宅取得を支える上で重要な役割を果たしていることが分かる。
「住宅ローン減税」が、住宅取得に効果があったかどうかを問う設問では、全体の「大きい効果があった」が2013年の24.5%から、2014年に32.2%と、7.7ポイント増加しており、「まあ効果があった」との合計「効果あり」は2013年が79%、2014年83.2%で、4.2ポイントの増加である。
40歳未満では、「大きい効果があった」は2013年の26.2%に対し、2014年は35.5%で、9.3ポイントの増加、「効果あり」は、2013年80.7%、2014年86.9%で、6.2ポイントの増加である。ここでも、全体に比べ、40歳未満に効果が高い結果となっている。(図表1-4-3)