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投資の応用
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【或る銀行員の独白】

「当行では最も人気がある商品です」銀行員がそう言ったら要注意

独白
(写真=Thinkstock/Getty Images)

投資経験の無い預金者が銀行窓口で高いリスクの投資信託を勧められたあげく大きな損失を抱え込んでしまう。「巧妙なセールストークで金融知識の乏しい顧客に高リスク商品を販売したことに問題がある」ほとんどの場合、そう結論づけられる。しかし、問題の本質は別のところにある。販売サイドのコンプライアンスを強化してもこうした問題は後を絶たない。なぜなら問題の本質を誤っているからだ。

数字は決して嘘をつかない

私は投資信託や債券、保険を売る現場にいる。直近の半期(平成27年3月から9月)の6カ月で私は金融商品の販売手数料として4600万円以上の収益を稼ぎ出している。この数字がどんな意味を持つのかと言えば、所属している銀行ではトップセールスだと解釈してもらえれば良い。そんな私から見ると、トップレベルの販売担当者は決して問題のある売り方をしない。

彼らは顧客のクレームひとつで築き上げた信用が一瞬で崩れ落ちることを知っている。彼らは目先の販売ノルマ達成よりも信用を重んじる。目の前の契約がとれなくても、他にいくらでも契約を成立させる自信を持っているからだ。後にトラブルになる可能性があると判断すればやんわりとお断りするスキルも持ち合わせている。だからこそ彼らはトップセールスたりうるのだ。

ダメな銀行員はどんな売り方をしているのか

結論から言えば、金融商品の販売はセンスだ。「投資の面白さを顧客に伝え、喜んでいただきたい」と思えるセンスだ。銀行や証券会社は金融商品販売において徹底的にコンプライアンス教育を行っている。元本保証ではない商品を預金と誤認させるようなセールストークで販売するような明らかに問題がある販売を行っている担当者など今では誰もいないだろう。

では、なぜ金融商品の販売でトラブルが絶えないのだろう。「とんでもない商品を売りつけられた」と、顧客が感じるからにほかならない。

意外かも知れないが、ダメな銀行員のセールストークは非の打ち所がないほどに素晴らしい。商品説明は完璧だ。決して強引に商品を押しつけるわけでもなく、実にスマートに契約に至る。矛盾するようだが、それがダメな銀行員の典型的な販売手法なのだ。なぜなら、彼らは自分の相場観や販売スキルに自信が無いのだ。だから「銀行や投信運用会社が作成した」マニュアル通りのセールストークしかできないのだ。

マニュアルは実によく考え抜かれており、顧客は反論できないようになっている。なぜなら、そこに書かれた内容に誤りは無いのだから。自然な流れで契約にこぎ着けられるようにうまく考えられている。

こんなセールストークは要注意!

ダメな銀行員がついつい口に出すキーワードを紹介しよう。

①「当行では最も人気がある商品です」
②「格付会社の賞を取っています」

もちろん、これ以外にも気をつけなければならないキーワードはあるが、この2つが代表的なものだ。

顧客の投資スタイル、許容できるリスク、さらには嗜好まで金融商品に対するニーズは千差万別だ。ダメな銀行員は売れ筋商品のセールストークだけを暗記しているので、どうしても特定の商品を販売しようとする。また、ファンドがどんな賞を受賞しようとも顧客のニーズには関係の無いことだ。賞を受賞したファンドの運用成績が必ずしも良いわけでは無い。そもそも、いったいどれだけ多くの賞が存在しているのか販売している私にも分からない。それほど賞が乱発されていると理解していただいて良い。

ダメ銀行員はパンフレットに沿って説明する

こうしたダメな銀行員の販売現場に立ち会うと、共通している点がある。彼らはパンフレットを顧客に見せながら話を進める。

「この商品を売りたい」という思いありきなので、最初から商品のパンフレットに沿って説明しようとする。実際に現場で金融商品を販売している銀行員のほとんどは実はダメな銀行員だ。最低限の商品知識はあり、日本経済新聞くらいは読んでいるので、それなりに金融に対する知識があるように見えるが、実は応用が利かない。

そんな彼ら、彼女らでもスムーズに問題提起、ニーズ把握、クロージングができるようパンフレットは実にうまくできている。パンフレットに沿って、理路整然とセールスする銀行員はダメ銀行員だと思って間違いない。

実は銀行員自身が無知なのだ

金利の低下とともに銀行融資の利ざやは縮小し、どの銀行も融資では収益をあげることが困難になっている。目先の収益を確保するために、投資信託や保険といった金融商品を販売することが不可欠となっているのが、いまの銀行だ。

にもかかわらず、銀行のなかでは融資が金融商品販売よりも上位に位置するという雰囲気がある。銀行員の多く、特に幹部ほど「我々の本業は融資だ」という気持ちをもっている。何が何でも投資信託や保険を販売して生き残っていくんだという気持ちの銀行員などごく少数ではないだろうか。

金融商品について、そして相場について、消費者にいかに喜んで頂くかを真剣に考えている銀行員はごく少ないと感じる。消費者のニーズを的確に把握し、それに相応しい商品提案を行い、さらに購入後のフォローもできる銀行員。じつは案外少ないのだ。もちろん、投資は最終的には自己責任が原則だ。投資家自身の金融リテラシーを高める必要があるのは言うまでもない。(或る銀行員)

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