ロシア連邦中央銀行が国家決済カードシステムによる決済カード「Mir」を発行。ロシア経済を深く浸食する「世界のVisaとMaster」から、「ロシアのMir」への移行を図るという。
プーチン大統領の肝いり?
この試みはロシアの銀行35社との提携によるもので、既にガスプロムバンク、MDMバンク、モスクワ・インダストリアル・バンクなど7社がATMや決済、振替などの試運転済みだ。残り28社も同様のテストを年内には実施する予定だという。
以前から国外の決済カードがロシアの主要決済法となっていた現状を歓迎していなかったプーチン大統領は、昨年クリミア半島をウクライナからロシア領に編入したのを機に、ナショナル・ペイメント・カード・システムを開設。
VisaやMasterのサービスが撤退したため、小売店で国際決済カードに対応できなくなるなど、バンキング・システムの崩壊に苦しむ200万人の島人の生活を改善する目的で、自国の決済カード発行に乗り出した。
「孤立」ではなく「国際化」が目的
ロシア語で「平和」や「世界」を意味する「Mir」を発行することが、「ロシアの経済システムの発展にとって重要なステップになる」と、ロシア連邦中央銀行のオルガ・スコロボガトバ副会長はコメント。
地方カードを手始めに、来年には国家決済カード市場を拡大。2018年までには国内決済の50%が国家決済システムを通して行われるようになることを目標にしている。
しかし独自の決済システムの確立で「孤立」を目指すのではなく、あくまで「他国と協調性をもってともに働きかける」という概念に基づいたものになるという。
既に日本のJCBなどとは国際提携を開始しているが、今後海外の主要国際ブランドとも積極的にパートナーシップを組み、ロシア市場の解放と確立を目指す構えだ。(ZUU online 編集部)
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