リストラ
(写真=PIXTA)

1500億円超とされる不正会計問題で経営再建中の東芝 <6502> は12月21日、大規模なリストラ策を発表した。問題の発覚前から家電事業では約6800人の早期退職や配置転換が決まっていたが、新たに本社部門で約1000人のリストラを発表、国内外合わせて約7800人もの人員削減となる。

2015年は大規模なリストラが続いた。2月にはソニー <6758> が2015年度中にモバイル・コミュニケーション分野で2100人の人員削減を行うと発表した。ソニーは1999年3月以降に公表されただけで8万人以上をリストラしている。また8月にはシャープ <6753> が45歳~59歳を対象に募っていた希望退職に3234人の応募があったと発表した。希望退職者は想定していた3500人には届かなかった。

ほかにも2015年にリストラを発表した企業には、横河電機 <6841> 、日立建機 <6305> 、日本たばこ産業(JT) <2914> 、ルネサスエレクトロニクス <6723> 、アシックス <7936> 、損保ジャパン日本興亜ホールディングス <8630> 、ニッセンホールディングス <8248> など誰もが知る企業がズラリと並んでいる。

ここで気になるのが希望退職者たちのその後だ。「早期退職優遇制度」で退職金の割増しや再就職先のあっせんが行われるケースもあるが、なかなか思いどおりには進まないようだ。

シャープの例を見てみよう。先ほども触れたが2015年の希望退職者は3234人。2012年にも人員削減を行っており約3000人が会社を去っている。2015年10月3日の朝日新聞デジタルによると、2012年の希望退職者のうち「1年以内に仕事が見つからなかった人は2割弱に上る」という。単純に計算すると、3000人のうち2割の600人が最低1年は無職だった、ということになる。退職者の大半はシャープが指定する再就職支援会社に登録したというが、それでも就職先が見つからないのだから再就職はやはり容易ではない。

40代「バイトの面接にも落ちた」

40代・50代にとって早期退職やリストラは身近な問題だ。会社を辞めたあとに起こるのが深刻な失業問題。ネット上には、再就職につまずく40代・50代のブログや書き込みが多数みられる。いくつか紹介しよう。

40代Aさん。「IT系の派遣を解雇。失業保険を延長を含めて240日受給したが、結局仕事は決まらず、その後のバイトの面接も何件か落ちた」。

40代Bさん。「会社が廃業しての転職。転職活動を始めたが、ほぼ書類で落ちた。運良く面接までいけても結局そこまで」。

50代Cさん。「就職活動を初めて半年。技術系職種の正社員を基本に応募しているがなかなか書類選考を突破できず、応募22件中面接までこぎつけたのが3件」。

50代Dさん。「50歳でIT会社を自主退職し、次の仕事が見つからず半年。自主退職のため失業保険は3カ月経ってから。我が家の貯金は半分に」

最終的には無事に再就職を決めるケースも多いが、中高年の失業問題はかなり深刻だ。年齢的にもともと受け皿が少ない上に、昨今の大量リストラによってさらに希望通りの再就職は困難になったといえるだろう。

再就職後は違う業種に?

エン・ジャパンが運営するサイト「エン 転職コンサルタント」では2014年8月、利用者1564人を対象に「早期退職」について行ったアンケート調査の結果を発表している。

「社内で早期退職者募集が実施されたことがある」と回答した人に「早期退職に応募したことがありますか?」という質問を行ったところ、40、50代では56%の人が「ある」と回答した。早期退職者の対象者を「40歳以上」など年齢で限定しているケースが多いことから、40、50代での応募者が多くなっていると見られる。

「早期退職に応募したことがある」と回答した中で「応募後、実際に早期退職することができた」という人は95%、さらに「退職前と退職後で業種は変わりましたか?」との問いには52%が「変わった」と回答した。20、30代に比べ40、50代のほうが業種を変える比率が高いという傾向がみられたが、その背景には「業種を選べるだけの選択肢がない」という厳しい現実があるのだろう。

転職活動期間 50代は「6カ月以内」、60代以上は「7カ月以上」

同年12月には、転職コンサルタント130人を対象にした「転職活動期間」についてのアンケート結果も発表されている。「求職者の年代ごとに、転職が決まるまでどのぐらいの期間を要する方が多かったか教えてください」の問いでは、20代~40代求職者の1位は「3カ月以内」だが、50代では「6カ月以内」、60代以上では「7カ月以上」が1位となる。

全体の割合で見てみると、20代求職者は「1カ月半以内」と「3カ月以内」の合計で9割超、30代でも8割以上と、若い世代では転職活動が短期に終了するという結果だったが、40代では約6割、50代では約3割にまで下がる。

エン・ジャパンは「以前より、年齢だけで合否を判断する企業は減ったものの、年代が上がると企業から求められる能力・経験、求職者が必要とするポジション・年収のレベルが上がるため、長期化する傾向にある」とするが、まさにリストラ再就職の年代での転職活動が長期化している。

「早期退職を希望すれば退職金が割増になるし、生活は何とかなるだろう。辞めてからゆっくり再就職先を探せばいい」と考えてしまいがちだが、再就職を見据えた早期退職には相当な覚悟が必要だ。(ZUU online 編集部)

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