毎年恒例「Sell in May」=「5月に売れ」
この2〜3日、米国のニュースを読んでいると、毎年恒例の「Sell in May」が飛び込んでくる季節となりました。これは、つまり毎年5月には保有している銘柄を売れという意味です。
それくらい5月は、毎年波乱の起こる月です。では、5月の注目ポイントについて整理していきたいと思います。
雇用統計は好調に通過、安心感から出口戦略に意識が向かう
先日のADP発表の米民間部門雇用者数は前月比22万人増加(市場コンセンサス21万人)し、5カ月で最大の伸びとなりました。大企業だけでなく、中小企業まで雇用回復の波が下りてきており、まさに米国経済の好調さを反映した内容でした。
このことから、今晩の雇用統計も好調に通過し一時的に楽観ムードになるのではと考えます。
しかし、その後は、堅調な米国景気から出口戦略に視点がシフトすることで、市場の重荷になりそうです。逆に、今回の雇用統計が、ネガティブ・サプライズとなるなら、短期的にはマイナスですが、出口戦略解消から強い相場が持続する展開になるのではと考えれます。
失われた「4月緩和説」
まず日銀の動向ですが、しばらくの間、追加緩和を行わない可能性が高そうです。
昨年後半までの市場コンセンサスでは「4月緩和説」は濃厚と考えられていました。
しかし、4月30日の黒田日銀総裁の自信に満ち溢れた表情とコメントから判断しても緩和は早くて7月〜8月頃だと考えられそうです。日銀が描いたストーリー通りに物価上昇が実現しており、日銀の判断は妥当と考えられるでしょう。