パンパンに膨れ上がったヘッジファンドと日本企業の保守的決算
アノマリー的にもそうですが、日本株と円安の投機ポジションでパンパンに膨れ上がっているヘッジファンドの決算前の売りなどが大きな相場撹乱要因となる可能性があり、5月は周期的に相場が弱含みやすくなります。
また、4月末から企業の決算発表が本格化していますが、今季は消費増税で業績の予測がつきにくく、それを理由に上場企業各社が、かなり保守的な決算予想を出してくることが考えられ、アナリストのレーティングや目標株価引き下げや外国人投資家の失望を買うことも考えられます。
ただし、これらのネガティブ要因がトリガーとなり、5月の後半になるにつれ、仮に相場が芳しくない場合(急激な円高や株価下落など)、追加緩和などを行ってくる可能性があります。日銀は、正直なところ、残り少ないカードを温存しておきたいと考えていますが、あまりにも大きな相場の変動が起こる際は、温めてきたカードを出してくることも考えられます。
株式比率に向けて動き出す世界最大の年金基金「GPIF」
追加緩和と同様に株式市場のポジショントリガーになりえるイベントも控えています。6月が近づくに連れて、世界最大である日本の年金基金GPIF(年金積立金管理運用独立行政法人)の動向にも注目が集まるでしょう。市場では、厚労省が5年に1度の「年金財政検証」を5月末~6月頃にまとめると見られており、その結果、GPIFの日本株の組入比率が2〜3%程度増加するのではと考えられています。仮に、この比率が実現すれば、日本の株式市場に約2〜3兆円の買い余力が発生する試算となります。