(写真=PIXTA)
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中国や中東問題に加え、突然北朝鮮の問題が浮上して来ました。ただ、北朝鮮のこうした動きは「いつものこと」と言う感じでもあり、中東問題も妥協点を探るという事になってくると思います。中国の問題にしても貧富の差が広がっているということ、そして中国の経済構造に変化があるということを考えるとここで不安視するということも必要ないと思います。

週末の米雇用統計の数字次第ではまだまだ波乱もあるのでしょうが、来週になると今度は欧州や日本での金融政策が話題になりそうですし、地政学リスクも落としどころを探ることになるでしょう。また、米国利上げの新興国への影響も既に大きく織り込まれて来ており、全体的に落ち着き始め、相場も底入れ反転となってくると思います。

欧米株安を受けて売り先行となりそうです。夜間取引やシカゴ市場の日経平均先物はかろうじて1万8000円台を保ち、1万8000円水準を割り込むと買われるという雰囲気があり、1万8000円水準を意識したところで底堅さが見られるかということでしょう。ただ、昨年8月の急落時などと同じで、特に売り急ぐ材料もないことから、いったん底堅さが見られれば急反発となるのでしょう。

オプションSQ(特別清算指数)に絡む売りで下げ幅を大きくしているということだと思います。1万8000円を割り込んでまで売られる理由も特にないので、この水準で底値固めと言うよりは一過性の下落と言うことだと思います。1万8000円を割り込んで達成感が出て来るかどうかと言うところですが、為替に落ち着きが見られれば一気に買戻しなども入ると思います。小型銘柄も売られすぎたものの反発は期待できそうです。

本日の投資戦略

ここ数年の相場の傾向として売られ過ぎ、買われ過ぎが想定以上に行きすぎるという傾向にあるようです。今回の急落もここまで売られるという理由も特にないような気もするのですが、過剰に反応しているみたいです。オプションSQ(特別清算指数)算出の週や米雇用統計の発表を控えた週と言うことで持高調整の売り買いが大きく、指数の振れ幅を大きくしているということもあるのでしょう。

この先どうなるかということが一番気になるところですが、サウジアラビアとイランが戦争を始めるとか、北朝鮮が韓国に攻め込むなどと言う事態は想定しにくいのではないかと思います。政治的な決着がつくというよりも、ウクライナの場合のように紛争そのものを回避するような妥協点を探ることになるのでしょう。したがって、今回の地政学リスクも一過性と思われ、あとは新興国経済の米国利上げによる影響を織り込んでからの出直りと言うことになりそうです。

清水 洋介(しみず ようすけ)
証券経済アナリスト。大和証券、ソシエテジェネラル証券、マネックス証券を経て投資情報サービス会社「ピクシスリサーチ」を設立 <現・ アルゴナビス > 、「チャートの先生」「投資のプロ」として、講演やセミナー活動を活発に開催。テレビや雑誌などでも投資についての解説、講義なども行っている。 メールマガジン も配信中。

※当記事は、証券投資一般に関する情報の提供を目的としたものであり、投資勧誘を目的としたものではありません。

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