(写真=Thinkstock/Getty Images)
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年明けから値動きの荒い展開となった東京株式市場。5日は下げがやや鈍化したものの、中国や米国の景気先行き不透明感が強まりつつあり、予断を許さない状況が続く。そうした中、頑強さを維持しているのがフィンテック(金融のIT化)関連。その中核銘柄であるさくらインターネット <3778> やインフォテリア <3853> はこの日も昨年来高値を更新した。物色動向は一段と広がりをみせる可能性があり、まだ出遅れている有力株を積極的にマークしたい。

電子決済やセキュリティーシステム、クラウドコンピューティング、仮想通貨のビットコインといった、金融を取り巻く電子的技術全般を意味するフィンテック。メガバンクによる投資拡大などを背景に、物色が本格的な盛り上がりを見せ始めたのは昨年12月だ。

ビットコインでJトラスト注目

代表的な銘柄の株価上昇率(11月末終値比)をみると、インフォテリが5日までに390%(4.9倍)、さくらが260%(3.6倍)に達している。いずれもビットコインの基盤となるデータベース技術である「ブロックチェーン」に関係する。フィンテックの中でも、ビットコインに絡むビジネスは特に注目されやすいことが分かる。

そうした中、次の関連株として上昇が期待されるのがJトラスト <8508> だ。カード事業や消費者金融を主力とする同社だが、昨年5月にはビットコイン取引所を運営するBTCボックス(東京・中央区)に出資してビットコイン事業に参入。さらに、同7月にはシンガポールにビットコイン関連ビジネスを目的とした子会社を設立した。

シンガポール子会社ではビットコイン情報サイトの運営から出発し、今後はビットコインと各通貨間での証拠金取引などへサービスを拡大していく見通し。会社側は「今年中には何らかの動きがあるだろう」(Jトラストの経営管理部)と話し、ビジネスの本格化へ向けた情勢をにじませる。Jトラストの株価は2013年の大相場を最後に休養が続いており、エネルギーは十分に蓄積されたとみたい。

ATM(現金自動預払機)で使う指紋認証など、新たな決済機能もフィンテックの一角を占める。昨年10月7日付株式新聞1面「金融IT化は新段階—『フィンテック』に脚光」の記事の中で紹介したトレイダーズホールディングス <8704> の株価は昨年11月末以降でほぼ3倍化した。同社はこの分野で有力なベンチャーのリキッド(東京・千代田区)と提携関係にある。

決済ツールの佐鳥電機も

こうした決済関連では佐鳥電機 <7420> にも注目したい。近距離無線通信(NFC)と呼ばれる通信規格を用いたカード型モジュールを開発し、電子マネーやクレジットカードを一本化できる製品などの量産を見込む。政府が20年の東京五輪までにキャッシュレス決済の普及を推進していることが追い風。

このほか、澤田ホールディングス <8699> は子会社がポイント交換サイトの「ポイントオン」を展開。商品の購入などに応じてたまるポイントをネット上で集約し、現金やギフト券などと交換するこうしたサービスは、新潮流として急速に浸透しているフィンテックの一つだ。(1月6日株式新聞掲載記事)

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