(写真=PIXTA)
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はじめに

収入はわりとあるのだけど、お金が貯まらない。それには理由があります。貯蓄(ここでは、以降「金融資産」とします)は、もちろん、支出より収入の方が多ければ増えます:

金融資産の増分 = 収入(給与、その他)- 支出(変動費、固定費)

お金を貯めるには、収入を増やすか、あるいは支出を減らすかです。ここで、収入には給与やその他収入がありますが、どちらも、簡単に増やすことはできそうにありません。そうすると、支出を減らす必要があります。

支出は、変動費と固定費とに分かれます。このうち、変動費は旅行代、飲み代、趣味の費用などの経常的な支出ではないものです。一方、固定費は、家賃や住宅ローンの返済など住宅費、子供の教育費、食費などの経常的な支出です。こちらは簡単には減らせないものです。

支出を減らすには、まず変動費を減らすことが考えられます。経常的でない分、簡単に減らせそうですが、お金の貯まらない人は、変動費を頑張って減らしても、大きな効果が見込めないことがよくあります。

一方、固定費は住宅購入や子供の教育といった人生の中でもお金がかかる費用で占めます。しかも、一度、支払い方や使い方を決めたら、なかなか変更できません。お金が貯まらない人は、このような固定費が収入に比べて多い可能性があります。

そこで、本レポートは住宅費や教育費という固定費が多いことが、お金が貯まらない理由になっているか否か、どうして住宅費や教育費が多くなってしまうのかについて独自のデータを利用して分析しました。