(写真=Thinkstock/Getty Images)
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株主優待は、個人投資家にとって投資の醍醐味のひとつだ。なかには芸能人に会える株主優待もある。ただ、かつて人気を集めた株主向けイベントには消えたものもあり、残念ながら株主優待で芸能人に会える機会は減りつつある。

芸能人に会える株主優待といえば

芸能人に会える株主優待制度といえば、アミューズ <4301> と歌舞伎座 <9661> だ。アミューズはサザンオールスターズや福山雅治など人気アーティストが所属する芸能事務所。3月末に100株以上を保有する株主は、①抽選で自社主催のコンサート・イベント・舞台・映画などへ招待、②オリジナルグッズ…の2つの優待がある。

同社の株主優待イベントは、招待できるものがあれば行うというスタンスであるようだ。同社ホームページに掲載されている株主優待の実績によると、2013年から15年にかけては「BBQ in つま恋 ~僕らのビートを喰らえコラ!~」というライブイベントに株主が抽選で招待されている。このライブは、直近では2015年7月に静岡県で開催された。一般向けには1万500円でチケットが販売された。出演者はポルノグラフィティ、Perfume、BEGIN、高橋優ら第一線のアーティストである。

歌舞伎座は2月末と8月末の株主を対象に、招待券を配布している。売買単位の1000株を取得すると年に2回、歌舞伎座の招待券が各4枚送られてくる。優待を実施する月は会社側が指定する。現在、株価は5000円近辺で推移しており、1000株を入手しようとすると500万円が必要であることは難点だ。

とはいえ、事前に申し込めば2枚ずつペアで利用することもできるなど、招待券を使う側にたった優待制度となっている。お目当ての歌舞伎役者がいるファンには、有効な優待制度であることは間違いない。株主に提供した招待券の大半は、観劇に必要な手続きである予約申し込みに使われているという。

株主のマナーの悪さで優待取りやめのケースも

エイベックス・グループ・ホールディングス <7860> は、株主向けにライブを行っていた企業として有名だったが、2010年に定時株主総会後の「株主限定ライヴ」をいったん取りやめると発表した。それ以来、現在まで復活はしていない。

エイベックスは「株主限定ライヴ」を取りやめた理由について、総会出席者数が増加し会場確保が困難になったこと、大規模化により入場に時間がかかるようになり株主に不便を掛けたこと、コストが増加傾向にあったこと、ライブ出席に必要となる議決権行使書がインターネットオークションで売買されるなど不正利用の問題が顕在化したこと、を挙げている。

抽選ではなく、総会に足を運んだ株主の希望者全員に観てもらえるライブを開催していたエイベックス経営陣の姿勢は称賛に値する。それだけに、ファン(株主)のマナーの悪さに起因する不正利用などで株主限定のイベントが中止されたことは非常に残念と言わざるを得ない。条件が整い、復活する日を待ちたい。

ホリプロ、吉本興業は上場廃止に

ホリプロも、かつては株主が芸能人に会える機会を提供していた。株主総会の後に、所属タレントも登場する株主向けの懇親会を開催していた。しかし、創業家によるMBOにより株式は非上場となり、こうしたイベントも行われなくなった。

ホリプロだけでなく吉本興業も上場を廃止している。アミューズやエイベックスという例外を除けば、大手芸能事務所の上場は難しくなっている側面がある。インターネットの動画コンテンツの普及により音楽ソフトの売り上げが低迷し、芸能事務所にとって、昔ながらのやり方では今後の成長が期待できないことが少なからず影響している。とはいえ、SBI証券のウェブサイトで「芸能事務所」と検索すると、韓国ではSMエンターテイメント(少女時代、東方神起など)、YGエンターテイメント(BigBangなど)といった大手芸能事務所が上場していると紹介されている。

日本と韓国の芸能事務所の何が違うのだろうか? 日本の芸能界では、事務所を辞めた所属タレントを一定期間干すといった旧態依然とした風習が残っているといわれている。長い目でみれば、著名な芸能事務所が上場し、然るべき企業統治をすることは、旧弊の排除など良い方向に作用する可能性もある。ファンとしても、株主として日本の芸能界の発展に貢献するのは意義深いことではないか。願わくば、上場する芸能事務所が増え、日本の芸能界の悪弊が払しょくされ、株価も上昇し、さらに株主優待で芸能人に会える機会も増えるという展開に期待したいところだ。(ZUU online 編集部)

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