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5月6日に経済協力開発機構(OECD)は世界の経済見通しを発表し、2014年の世界経済成長率が3.4%になるとの見通しを示しました。昨年の11月時点の見通しが3.6%でしたから、0.2%の下方修正ということになります。一方で2015年の成長率は3.9%との見通しも示しました。OECDのグリア事務総長がロイターに語ったことを引用すれば「(経済統計の)数字は良くなっているが、下振れリスクが依然としてあるため、われわれはまだ森から抜け出ていない」という慎重な表現を取っています。

それぞれの主要国の2014年の成長率を見てみると、アメリカ合衆国は2.9%から2.6%へ下方修正、ユーロ圏は1.0%から1.2%へ上方修正、日本は1.5%から1.2%へ下方修正されています。アメリカ合衆国の下方修正の要因は今年第一四半期の悪天候を反映して、一方、日本の下方修正は消費増税の影響を受けてのことです。また、中国の経済成長率は7.4%(前回は8.2%)、ロシアはウクライナ情勢を受け0.5%に留まると予想されています。

各国の経済成長率の見通しに大きな驚きは感じられませんでした。中国、ロシアといった新興国の経済成長率の鈍化をアメリカやユーロ圏、日本がカバーするといった構図は前回と変わっていないようです。また、OECDがFRB(米連邦準備理事会)に対して来年には利上げするように求めていること、一方で日本に対して資産の買入れを緩めるべきではないと注文を付けていることは妥当な路線と言えるでしょう。

また、ユーロ圏に対しては政策金利をゼロに引き下げるよう要求しています。アメリカの雇用統計及び失業率の低下、日本の賃上げの状況などを鑑みると、次回の世界の経済見通しの発表の際には、再び昨年11月に発表した数値に近づくこともあり得ると考えています。また、日本については若干慎重なような気もします。安倍内閣が検討している法人税率の軽減(数%という小さな軽減幅ではなく、半減程度の大きな減税が必要か)、人口減対策が具現化してくれば、もう少し高めの経済成長率を達成できるのではないでしょうか。

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Photo: OECD HP より