世界114カ国の決済動向を調査した「ワールド・クラス・ペイメント」の第2版が発表され、デビットカードの利用率が1%にも満たない日本だが、1人あたり所有数では世界一であることが分かった。

クレジットカード残高の持ち越し率3位の英国が、負債総額では10兆円以上という記録的な数字に達していることから、「持ち越し率とと負債総額は必ずしも比例しない」という事実も判明した。

各国の消費者がデビットカードやクレジットカードをどのように日常生活で利用しているか——という調査だが、「カードの所有率と利用率は必ずしも比例するわけではない」という意外な事実が結果から明らかになっている。調査したのは英決済事業組合ペイメンツUK。

日本では人気の低いデビットカードだが……

欧米ではクレジットカードよりも頻繁に利用されているデビットカードは、世界で最も普及率の高い決済法とされている。

デビットカードの利用率が最も高い国は1人あたりの平均年間利用回数が120回のドイツで、2位のオランダ(69回)や3位の英国(57回)よりも2倍利用されている。

しかし所有数では日本(3.3枚)、中国(2.8枚)、オーストラリア(1.78)と、いずれも利用率が0.2回以下の国がトップという、何とも不可解な矛盾した結果が報告されているから驚きだ。

一方クレジットカードの利用率もベルギー(122回)、オランダ(121回)、スイス(117回)が上位3カ国だが、所有率では米国(2.9枚/61回)、カナダ(2.6枚/29回)、スウェーデン(1.04枚/99回)が勝っており、利用率が所有率にともなっているわけではないことがわかる。日本は12回となっているが、所有数は0.06枚以下だ。

スウェーデンのクレカ利用者の半数近くが「残高持ち越し」

クレジット先進国での支払い状況も気になるところだが、残高の持ち越し率が最も高いのはスウェーデンで、45%の消費者が総額50億ドル(約5665億5000万円)の負債を抱えている。次いでイタリア(42%)の負債額はさらに大きく170億ドル(約1兆9262億円)、英国(33%)は最高総額の910億ドル(約10兆3085億円)という記録的な数字がでている。

即時決済は日本が先駆け コンタクトレス普及では出遅れ

1973年に即時決済システムを導入していた日本は、2位のスイス(1987年)よりも14年も先を歩いていたことになる。即時決済の導入は、3位の中国(1992年)、4位の台湾(1995年)などアジア諸国の方が発達しており、英国は2008年、スウェーデンは2012年にようやく開始。米国やオーストラリアに至っては2017年から2018年にかけて開始予定と、随分ノンビリとしているようだ。

しかしコンタクトレスの普及では日本は26%と、1位のポーランド(67%)、2位のイタリア(62%)、3位のシンガポール(47%)に大きく遅れをとっている。

2014年末の集計では発行数が120億枚に達していたクレジットおよびデビットカード。2013年から11%増しており、今後も需要がますます伸びると見込まれている。(ZUU online 編集部)

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