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投資の応用
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【或る銀行員の独白】

投資信託の運用説明会は百害あって一利なし

投資信託,運用説明会
(写真=Thinkstock/Getty Images)

運用のプロが説明させて頂きますーー銀行は投資信託を保有しているお客様を対象に「運用説明会」なるものを開催する。お客様のなかには、こうした運用説明会を楽しみにしている人も意外と多い。毎回欠かさず出席する人もおられるが、こうした説明会は本当に有益なのだろうか。

そもそも投資信託は誰が運用しているのか?

銀行や証券会社など、投資信託を購入した金融機関が運用を行なっていると思っている人は意外と多い。そもそも、投資信託には「販売会社」「運用会社」「信託銀行」の3者がそれぞれの役割を果たしている。そのなかで、投資家が直接的な接点を持つのは販売会社だ。銀行や証券会社がこれにあたるが、ここでは投資家ごとの口座を管理し、投資信託の販売や換金、分配金・償還金の支払いなどを行っているに過ぎない。投資家が資産運用する際の質問に答えたり、相談に乗ることはあっても、あくまで投資家と投資信託をつなぐ「窓口」に過ぎないのだ。

実際に投資信託を設定し、投資家から集めた資金を運用するのが運用会社である。証券会社や保険会社の関連会社で〇〇投信や〇〇アセットマネジメントといった会社名がついていることが多い。この運用会社が投資家から集めた信託財産を、どの資産にどうやって投資するのかを考え、運用を指図する。

投資家から集めた資産は信託銀行で保管・管理されている。信託銀行は運用会社からの運用の指示に従って、株式や債券などの売買や管理を行っている。信託銀行で投資家から集めた信託財産を自社の財産とは区別して保管・管理されていることで、販売会社や運用会社が破綻しても投資家の資産は守られるという仕組みだ。

このように投資信託を作り・運用する運用会社が投資信託において最も重要な役割を果たしていると言える。「お宅の銀行で買った投資信託は運用成果が良くない。お宅の銀行は運用が下手なんじゃない?」と指摘するお客様もなかにはおられるのだが、販売会社である銀行は投資信託の運用には全く関わっておらず、こうした苦情は筋違いだということが、わかっていただけるだろうか。

運用説明会とはどんなものか?

運用説明会を主催するのは販売会社である銀行や証券会社であることがほとんどだ。顧客宛に郵便で招待状が届くこともあるし、営業担当者が直接案内することもある。多くの場合はホテルの宴会場などで開催される。なかには立食パーティがセットされているケースもあり、それなりにコストがかかっている。もちろん、参加費は無料だ。

それでは、なぜ運用説明会を開催するのか。その目的は投資信託を販売したいから、もしくは既にお持ちの投資信託を継続して保有して欲しいからにほかならない。この点では販売会社と運用会社の利害は一致しており、両者がタイアップして積極的に運用説明会が開催されることになる。

さて、運用説明会の会場に足を運んでみよう。既に触れたが会場はホテルの宴会場がほとんどだ。多くのお客様に足を運んでいただけるよう利便性が考慮されているほか、それなりのネームバリューも必要だ。間違っても「貧乏くさい」という印象を抱かせるようではダメだ。会場の前では事前の出欠確認に基づき出席者リストが用意されており、出席者の確認が行われる。会場には講義形式で机と椅子が準備されている。販売会社と運用会社のそこそこの肩書きを持った人の挨拶ではじまり、マーケットの動向、個別の金融商品の事情、そして質疑応答で終了する。その後、場合によっては立食パーティが用意されているケースもある。

「今後は回復が期待できます」

問題は運用説明会の中身だが、最初から結論は決まっている。お客様に投資信託を買って頂く、引き続き継続保有して頂くことが目的だからだ。そのために、会場を借り、飲食費を負担しているのだから。説明会の資料には様々なデータ、統計が記載されている。当然ながら自分たちに都合が悪いデータは載せない。客観性を演出するためにあえて都合の悪いものを載せることもあるが。

「経済は今後も発展、成長します」
「一時的には悪材料もありますが、いずれそれらは克服される見通しです」
「運用状況は一時的に悪化していますが、今後は回復が期待できます」

概ね上記のような結論に落ち着く。「運用のプロ」が直接説明させて頂きます、という触れ込みであるが、実際には必ずこのような結論に結びつけられる。

しかし、運用説明会の最大の効果は投資家が「自分だけでは無い」という心理状況になることだ。投資信託の購入を検討している投資家が、説明会に参加すれば他にも多くの投資家が購入を検討していると思うだろう。「これだけ多くの人が購入を検討しているのだから、きっとこれは良い商品に違いない」そう思い込んでしまう。もし、大きな評価損を抱えているファンドの説明会であれば、「自分以外にもこれだけ多くの人が持っているファンドだから、きっと大丈夫だ」と、何の根拠も無い安心感を抱くことになる。この点において運用説明会というのは「百害あって一利無し」と言っても過言では無い。

運用説明会はこうして利用すべし

では、運用説明会に足を運ぶべきでは無いのかと問われると、むしろ私は足を運ぶべきであると考える。重要なのはそこでの説明を鵜呑みにしないことだ。そして、最も重要なのは、運用担当者と一対一で話すことだ。一旦、会が終了した後に個人的に質問するのが良いだろう。立食パーティで雑談を織り交ぜながらというのはなおさら、本音を聞き出すことができるチャンスだ。運用担当者にも立場があるので、言えない本音がある。

せっかく運用説明会に参加するのであれば、少しだけ勉強してから参加してみよう。運用報告書など簡単にネットで閲覧が可能だ。ファンドマネージャーがどのような考え方を持っているのか。どんな資産を売却し、新たに組み入れたのか。こうしたことを少しでも調べれば、きっと相手にもそれは伝わる。単に「これは儲かりますか」と質問されるよりも、「なぜこの銘柄を組み入れたのですか」と、質問される方が嬉しいものだ。そんな人にはついつい本音を話したくなる。(或る銀行員)

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