シニアになってから「サ高住 (サービス付き高齢者向け住宅) 」へ入居することを検討している人は少なくない。相場はエリアによって大きく異なるが、一般的にはどういった費用がかかってくるのだろうか。月額費用の相場やかかる費用の詳細について詳しく解説する。

サ高住 (サービス付き高齢者向け住宅) の相場は ?

「サ高住」入居でかかる費用詳細は ? 月額相場や高額な負担に備える方法
(画像=ponta1414 / stock.adobe.com)

まずは、サ高住 (読み方は「さこうじゅう」) の一般的な相場について紹介していこう。⽼⼈ホーム検索サイト「みんなの介護」を運営する株式会社クーリエの調べ (2023年4月調査) によれば、都道府県別の月額費用相場のトップ5は以下の通りとなっている。

順位都道府県月額費用相場
1位東京都20.6万円
2位神奈川県19.5万円
3位京都府18.5万円
4位千葉県16.9万円
5位愛知県16.7万円
出典:みんなの介護 (株式会社クーリエ)

もっとも、上記のランキングの月額費用相場は各都道府県の平均的な数字であり、中価格帯以上のサ高住では、東京都内の場合で月額費用が100万円を超える施設もある。30万円台や40万円台のサ高住も珍しくない。

サ高住の月額費用に差が生まれるのは、エリアとしての利便性や設備の充実度、サービスの質などに違いがあるからだ。サ高住での生活に質の高さを求めるのであれば、相場の1.5倍や2倍の月額費用がかかることは念頭に置いておきたい。

サ高住の費用詳細

続いて、一般的にサ高住への入居でかかる主な費用の詳細を説明していこう。大きく、入居時にかかる費用と、月額ベースで発生する費用に分かれる。

敷金

入居時にかかる費用として「敷金」が挙げられる。敷金は一般的に月額家賃の2~3ヶ月分に設定されているケースが多い。敷金は部屋を常識的な範囲内で綺麗に使用していれば、契約終了の際に返金される。

ちなみに入居時に一定期間の家賃を前払いする方式を選択した場合、入居時に支払う初期費用は大きくなる。この点については後述する。

家賃・共益費・水道光熱費

月額費用の中で最も大きな金額になるケースが多いのが、「家賃」と「共益費 (管理費) 」だ。基本的には、そのエリアの不動産の家賃相場や施設の充実度などによって金額が変わってくる。また入居している限り、「水道光熱費」も発生する。

食費

「食費」は1日3食分の費用を1ヶ月分合計した金額がかかる。一般的には4~5万円程度が相場だが、食事のおいしさや素材へのこだわりを魅力として打ち出しているサ高住の場合、当然ながらもっと高くなる。

介護保険の自己負担分

サ高住に住みながら介護サービスを受ける場合は、介護保険が適用された際の自己負担分の費用が発生する。

介護度によって利用限度額は異なり、介護度が高くなるほど利用限度額も高くなる。自己負担割合は所得によって変わり、多くの人は1割負担で済むが、所得が一定以上だと2割負担もしくは3割負担となる。

ちなみに、介護度に応じた利用限度額を超えた介護サービスを利用した場合、超過分は10割負担 (全額自己負担) となる。

消耗品代

消耗品代としては、居室内で使用するティッシュやトイレットペーパー、洗顔フォーム、シャンプーなどの費用のほか、人によってはおむつなどの費用も発生する。選ぶ商品や消費量によって、費用が数千円で収まる人もいれば、数万円かかる人もいる。

洗濯・清掃・移動費など

洗濯や清掃などにかかる費用も施設側に支払う必要がある。施設からスーパーなどへの送迎を依頼した場合には、移動費も必要となる。病院や選挙に行く際には移動費も介護保険の適用となるが、そうではない場合は原則として移動費は全額自己負担となる。

サ高住の月額費用の支払い方式

サ高住の月額費用の支払い方式は、大きく「月払い方式」と「前払い方式」の2種類がある。月払い方式にすると入居時の初期費用は抑えられるが、前払い方式に比べて月額負担は高めになる。そのため、入居が長期間におよぶとトータルでの負担が大きくなる。

一方、一定期間の月額費用を前払いする方式の場合、月単位で計算した場合の費用負担は、入居期間が長期におよぶほど軽くなる仕組みとなっている。

サ高住に入居するなら早めに資産運用を

たとえ家賃があまり高くない施設を選んだとしても、サ高住に入居しながら生活をすると、家賃以外にもさまざまな費用が発生する。

もちろんサ高住ではなく自宅で生活したとしてもかかる費用もあるが、立地のほか充実した設備やサービスを求めるなら、早めに将来の費用負担を想定した資産形成に備えるという視点を持ちたいところだ。

かかる費用のイメージをつかみ、万全の備えを

シニアになってからかかる費用を事前に把握し、どのくらいお金の準備が必要なのかをイメージできれば、早めに資産運用を始めて万全の備えにつなげていくことができる。

資産運用は、リターンを再投資することで資産を膨らませるスピードを上げられるため、まだスタートしていないのであれば早期に検討を始めることをおすすめしたい。

(提供:大和ネクスト銀行


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