エクスプローラー

デイトナやサブマリーナーらと並び、エクスプローラーはロレックスを代表する人気モデルの1つ。日付表示すらない必要最小限の機能と操作性により、ロレックスの原点ともいえる屈強なオイスターケースとオイスターブレスの魅力をシンプルに体感することができます。漆黒のダイヤルに浮かび上がる3・6・9のアラビア数字とバーインデックスの組み合わせは、普遍的デザインにして、多くの時計愛好家たちの永遠の憧れでもあります。この記事では、そんなエクスプローラーの魅力と資産価値について詳しく解説していきます。
※記事内で紹介する金額は2023年4月時点のものです
(TOP画像引用元:Chrono24)

目次

  1. ロレックス エクスプローラーⅠの魅力
  2. ロレックス エクスプローラーⅠの素材
  3. ロレックス エクスプローラーⅡとは
  4. ロレックス エクスプローラーⅠの定価
  5. ロレックス エクスプローラーⅠの特徴と相場
  6. 投資価値のあるロレックス エクスプローラーⅠとは
  7. まとめ

ロレックス エクスプローラーⅠの魅力

ロレックスは1953年に、人類で初めてエベレスト登頂に成功した2人の探検家の偉業を称えて、文字通り探検家を意味する時計「エクスプローラー」を公式に発表しました。

以降、ロレックスは70年近くにもおよぶ年月の中で、何度もエクスプローラーの改良(マイナーチェンジやモデルチェンジ)を重ね、その度に精度や視認性、堅牢性や耐久性などを着実に進化させてきました。それらは、すべて探検家が過酷な環境下でも最高のパフォーマンスを発揮できるようにという願いに基づいており、この一貫して変わらないコンセプトがエクスプローラーの1つの魅力になっています。

エクスプローラーの基本デザインは、1960年に発売された3代目モデル(Ref.1016)によって、既に確立されていました。それから60年以上経った今でも、全く古臭さを感じさせないエクスプローラーは、真に完成されたデザインといっても過言ではありません。

これからもきっと、エクスプローラーはその基本デザインを変えることなく、ロレックスの定番モデルとして受け継がれていくことでしょう。

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ロレックス エクスプローラーⅠの素材

エクスプローラーの素材については、オールステンレスとコンビ(ステンレス&ゴールド)の2パターンが存在します。

それぞれどんな特徴があるのか、以下に解説していきます。

オイスタースチール

キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説

ロレックスは1990年代から徐々にケースやブレスに904L(スーパーステンレススチール)を使用し始め、現在のステンレス製モデルにはすべて904Lを使用しています。904Lは錆や腐食に強く、高級感があり、金属アレルギーをお越しにくいといった特徴があります。

また、一般的な高級時計に使用されている316L(サージカルステンレス)よりも耐食性と耐摩耗性に優れています。その一方で、素材自体が高価で加工が難しく、コストがかかるといった側面も持ち合わせています。

イエローロレゾール

キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
引用元:レキシア

2021年に誕生したエクスプローラーのRef.124273は、イエローゴールド(18Kゴールド)とステンレススチール(904L)を組み合わせたコンビモデルで、イエローロレゾール(ロレックスの造語)とも呼ばれています。

Ref.124273のイエローゴールドはポリッシュ仕上げで、オールステンレスのエクスプローラーとは一味違ったエレガントな雰囲気を醸し出しています。

イエローゴールドはスレンレスよりも柔らかく、線傷が目立ちやすいのが難点です。ただ、イエローゴールドもステンレス同様に、研磨によって傷を綺麗にすることができます。

ロレックス エクスプローラーⅡとは

エクスプローラーⅡは、エクスプローラーの上位機種として1971年に誕生しました。3針ノンデイトのエクスプローラーに対し、エクスプローラーⅡは24時間針に24時間表示ベゼル、日付表示を携えるなど、多機能にしてデザインも大きく異なっています。

また現行モデルのケースサイズは、エクスプローラーが36mmと40mm、エクスプローラーⅡが42mmで、同じ探検家向けのモデルありながら、それぞれに全く違った個性を持っています。

エクスプローラーⅡには、ブラックとホワイトの2色の文字盤が存在し、ホワイトはプロフェッショナルモデルでは珍しいため、特に人気を集めています。

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ロレックス エクスプローラーⅠの定価

現行モデルのエクスプローラー(Ref.124270・Ref.124273)の定価は、以下の通りです。

商品名/型番 定価
エクスプローラー/124270 860,200円
エクスプローラー/224270 909,700円
エクスプローラー/124273 1,397,000円

なお、近年ロレックスは年2回程度のペースで価格改定を行っていることから、今後も定価が上がる可能性があります。

ロレックス エクスプローラーⅠの特徴と相場

ここからは、3代目以降のエクスプローラーの特徴や価格相場について解説していきます。

ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.1016

キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
引用元:Chrono24

先述の通り、3代目となるこのRef.1016で、既にエクスプローラーの基本デザインは確立されていました。その完成度の高さは、1960年から1989年まで30年近く生産が続いていたことからも容易に想像ができます。現行モデルとの主な違いを挙げるとすれば、ちょうどこのRef.1016までは風防にプラスチックが使用されていました。

また、インデックスにフチが無いのもRef.1016までの特徴で、その後のモデルのシャープで洗練された印象とはまた違った、レトロな雰囲気が大きな魅力となっています。Ref.1016は、現在でもヴィンテージロレックスを代表するモデルの1つで、状態によって価格差はあるものの、おおよそ300万円程度で取引されています。

モデル エクスプローラーⅠ
リファレンスナンバー(型番) 1016
ケース素材 ステンレス
文字盤 ブラック
現在の取引価格 310万9,220円
過去1年の価格上昇率 +2.0%
過去5年の価格上昇率 +36.0%
過去10年の価格上昇率 +242.0%

ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.14270

キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
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Ref.14270はRef.1016の後継機として1990年に誕生し、以降2001年まで生産されていました。ダイヤルは、艶のあるブラックとメタルフレーム付きのインデックスに。風防はプラスチックからサファイアクリスタルに変更され、ムーブメントもハイビート(28,800振動)のCal.3000が搭載されるなど、Ref.1016から大幅に進化を遂げています。

なお、1990年代後半に木村拓哉さんがTVドラマで身に付けていたことで脚光を浴びたのが、他ならぬこのRef.14270です。

相場に関しては、こちらも状態によって価格差がありますが、おおよそ70~100万円程度で取引されています。

モデル エクスプローラーⅠ
リファレンスナンバー(型番) 14270
ケース素材 ステンレス
文字盤 ブラック
現在の取引価格 89万1,916円
過去1年の価格上昇率 −13.7%
過去5年の価格上昇率 +49.5%
過去10年の価格上昇率 +86.7%
キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
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ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.114270

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2001年に6桁リファレンスとして生まれ変わったRef.114270は、2010年まで生産されていました。前作のRef.14270とは外観上の大きな変更点はないものの、ブレスレットとケースが改良され堅牢性が増しています。ムーブメントは前作のCal.3000からCal.3130に変更されています。

どちらもパワーリザーブは48時間で同じですが、Cal.3130の方がメンテナンス性と安定性に優れ、より実用的なモデルへと進化しています。

Ref.114270の現在の相場は、70~100万円程度。状態や付属品の有無、年式などによって価格にわりと大きな開きが見られます。

モデル エクスプローラーⅠ
リファレンスナンバー(型番) 114270
ケース素材 ステンレス
文字盤 ブラック
現在の取引価格 91万3,949円
過去1年の価格上昇率 −12.2%
過去5年の価格上昇率 +45.2%
過去10年の価格上昇率 +80.5%
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ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.214270

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Ref.114270の後継機として2010年に誕生したRef.214270は、ケースが従来の36mmから39mmへとサイズアップし、多くのロレックスファンを驚かせました。ムーブメントには、パラクロム・ヒゲゼンマイ、パラフレックス・ショックアブソーバーを搭載したCal.3132が採用され、これまで以上に高い精度と耐久性を実現。さらに、耐磁性と耐衝撃性も飛躍的に向上するなど、見た目以上に中身の充実が施されています。

なお、2016年のマイナーチェンジにより、3・6・9のインデックスがそれまでのブラックアウトからクロマライト夜光が塗布された仕様に。針も長いものに変更されています。

相場については、2021年の廃盤と同時に36mmの後継機(Ref.124270)が発表されると、一時新品価格が190万円近くまで跳ね上がりました。その当時に比べ現在はだいぶ落ち着いてはいるものの、それでも中古で100~150万円程度と高値で推移しています。

モデル エクスプローラーⅠ
リファレンスナンバー(型番) 214270
ケース素材 ステンレス
文字盤 ブラック
現在の取引価格 123万791円
過去1年の価格上昇率 −10.3%
過去5年の価格上昇率 +73.5%
過去10年の価格上昇率 +91.6%
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ロレックス エクスプローラーⅠ Ref.124273

キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
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Ref.124270と共に2021年に誕生したRef.124273は、エクスプローラーでは初のイエローロレゾールモデルです。ベゼル、リューズ、ブレスレットのセンターリンクには、それぞれ18Kイエローゴールドを採用。「ブレスの両サイドのステンレスはサテン仕上げで、18Kイエローゴールドのセンターリンクはポリッシュ仕上げになっています。

Ref.124273の定価は1,397,000円で、Ref.124270(定価860,200円)よりも、素材が異なることでかなり高額に設定されています。現在の相場については、中古品は150万円前後で推移しています。

モデル エクスプローラーⅠ
リファレンスナンバー(型番) 124273
ケース素材 ゴールド/スチール
文字盤 ブラック
現在の取引価格 157万107円
過去1年の価格上昇率 −16.4%
過去5年の価格上昇率
過去10年の価格上昇率
キムタクも愛用したロレックス エクスプローラーⅠ|人気モデルや資産価値を解説
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投資価値のあるロレックス エクスプローラーⅠとは

エクスプローラーは新品中古問わず常に安定した人気があり、希少価値の高いレアモデルについては、購入時の何倍もの値が付くこともあります。

そんな資産価値の高いエクスプローラーを、投資目的で購入する際のポイントについて以下にいくつかご紹介します。

レアなブラックアウトの個体

ブラックアウトとは、文字盤の3・6・9の数字が、通常は白く着色されているものが着色されていない、もしくは黒く着色されているもののことをいいます。このブラックアウトの個体が、Ref.14270の初期生産分とRef.114270の一部に存在し、いずれも希少性が高く高値で取引されています。

具体的には、Rer.14270は、1990年から1991年頃に生産されていたE番とX番の一部。
Ref.114270は、2009年頃に生産されていたV番にブラックアウトの個体が確認されています。

付属品がそろっているもの

購入時は付属品(外箱、内箱、取扱説明書、タグ、保証書、余りコマなど)の有無をよく確認し、購入後もそれらを大切に保管するようにしましょう。特に保証書と余りコマは重要で、どちらも有るか無いかによって時計の価値が大きく変わります。

外箱と内箱は現行のものであれば、売却時に紛失していても、極端に査定額が下がることはありません。取扱説明書とタグはほとんど査定に影響しません。

意外なところでは、修理歴のある個体の場合、ロレックスの正規修理明細書が付属していると高く評価されることがあります。

まとめ

1953年に誕生したエクスプローラーには、既に70年近くもの歴史があります。そのコンセプトは誕生時から常に一貫しており、完成されたデザイン等も含め普遍的な魅力に溢れています。

エクスプローラーの人気は不動とも言え、投資対象としても魅力的です。希少価値の高いレアモデルも存在するので、現行品からヴィンテージモデルまで、お気に入りの逸品を探してみてはいかがでしょうか。

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