香港オークションで約30億円の売上を記録。草間彌生はなぜ人気なのか?
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94歳(2023年4月現在)の高齢ながら、いまだ現役アーティストとして意欲的な創作活動を続ける草間彌生。アートに詳しくなくても、名前だけ聞いたことがあるという人も多いのではないでしょうか。

草間彌生の作品は人気が高く、近年アート市場でも取引価格が急上昇しています。とくに注目されたのが、2023年4月5日に香港で開催されたサザビーズのオークションです。このなかで草間彌生の作品は過去20年間に制作されたなかから5点が出品されました。その総売上は、なんと約30億円を記録。なぜそんなに人気があるのでしょうか。

草間彌生の作品はいわゆる「前衛アート」と呼ばれるもので、写実画や一般的な彫刻とは趣を異にします。草間作品が人々を魅了する一番の理由はそのインパクトの強さです。水玉模様やかぼちゃをモチーフにした作品が多いですが、一度見たら忘れられない鮮やかな色彩と斬新なデザインで、コレクターなら思わず欲しくなるような魅力に溢れています。

草間彌生は1950年代にアメリカに渡り、前衛芸術家としてのキャリアを積みました。ポップアートの旗手アンディー・ウォーホルとも交流があったため、作品づくりに何らかの影響を受けた可能性もあります。また海外ブランドとコラボすることも多く、ルイ・ヴィトンと「LOUIS VUITTON×YAYOI KUSAMA Collection」を発表し、フェラガモやX-girlなどともコラボしています。こういった実績も海外のオークションで高値が付く理由の一つかもしれません。

高騰する草間作品ですが、手が出ないとあきらめる必要はありません。シルクスクリーン(版画)であれば100~500万円ほどで手に入れることも可能です。もっと手軽に草間作品の世界に触れたい場合は、かぼちゃと水玉模様をモチーフにした「がま口財布」なら1万円程度で購入できます。草間コレクション入門にはよいでしょう。

いま世界のコレクターの投資資金が日本のアートや漫画・アニメなどに向かっています。今後価値が上がると思われる草間彌生の作品は、これからアートをコレクションするには有力アイテムの一つになりそうです。