入るときのチェックポイント 90日の待機期間に注意

通常、がん保険に加入する場合に気を付けておきたい重要なポイントは、90日(3ヵ月)の待機期間が設定されていることです。一般的な保険は、申し込み、健康状態の告知、保険料の初回払込で保障が開始されます。これを責任開始日といいますが、がん保険の場合は、この3つが完了した後に90日間の待機期間が設けられ、この期間中にがんだと診断されても保険会社は給付金を払う責任がありません。早期のがんには自覚症状がないことや保険の悪用を防ぐためということです。

がん保険ではどんな給付金がもらえるのでしょうか。主に以下の4つの給付金を組み合わせた構成になっています。

・ 診断給付金 : がんと診断されたときにもらえる
・ 入院給付金 : がん治療のために所定の入院をした時にもらえる
・ 手術給付金 : がんで所定の手術を受けたときにもらえる
・ 通院給付金 : がん治療のために通院したときにもらえる

この他、特約をつけるなどして、先進医療を受けるときや退院時に給付金がもらえる保険もあります。

「上皮内新生物」?「悪性新生物」? よくある勘違いにも注意

がん保険を見ると「上皮内新生物」と「悪性新生物」という言葉が目につきます。これが落とし穴の1つ。両方ともがんに違いはないのですが、「上皮内新生物」は、がん細胞が臓器の表面をおおっている上皮細胞の中にとどまり、他細胞に広がってはいない病変を指します。

一方、「悪性新生物」は、私たちが「がん」と聞いてイメージするもので、がん細胞が周囲の組織にまで広がり、血管などに入り込んだ状態です。

「上皮内新生物」の場合、「悪性新生物」と同額の診断給付金を出してくれるものもあれば、例えば「悪性新生物」ならば100万円になる診断給付金が、「上皮内新生物」だと減額されて10万円などとするものもあるので注意が必要です。

「入院しなくても通院給付金がもらえるかどうか」もポイントです。最近では、がんの通院治療を積極的に行う病院が増えていますし、治療法が進歩し入院せずにがんの治療を受けることもできるのです。保険の中には、入院を前提とした通院や入院後の通院にしか給付金が下りないものもありますので、きちんと確認しましょう。(提供: お金のキャンパス

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