人生における代表的なライフイベントのひとつが「子どもの結婚」です。

結婚費用を子どもが自ら準備するケースや、新型コロナ感染症をきっかけに「地味婚」で済ますことも少なくないですが、親御さんが結婚費用を援助する場合の金額や相場、税金などについて知りたい方も多いのではないでしょうか。

今回は、結婚費用の目安や親からの援助額、結婚資金やご祝儀にかかる税金について紹介します。

目次

  1. 結婚費用の総額は、平均で371.3万円
  2. 親または親族からの援助額は、平均で178.4万円
  3. 結婚資金の援助やご祝儀に贈与税はかかるのか?

結婚費用の総額は、平均で371.3万円

どれくらいかかるの?子どもの結婚
(画像=west_photo/stock.adobe.com)

「ゼクシィ結婚トレンド調査2022」によると、結納・婚約から新婚旅行までにかかる費用の総額は371.3万円(推計値)となっています。

(表1) 結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用       単位:万円

(表1) 結納・婚約~新婚旅行までにかかった費用
出所:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ

また、結納をするときは会場や食事の代金のほか、結納金・結納品、結納返しにお金がかかります。新郎側から新婦側に贈る「結納金・結納品」の平均額は合計で109.6万円、「結納返し」の平均額は67.4万円となっています。

(表2) 結納金・結納品と結納返しの平均額(全国の推計値) 単位:万円

表2.jpg
出所:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ

親または親族からの援助額は、平均で178.4万円

結婚時に親や親族(祖父母など)から資金を援助してもらった人の割合は76.9%、援助額は平均で178.4万円となっています。結婚にかける費用、援助の有無や金額は人によって異なるため一概には言えないものの、データ上は結婚費用の半分は親や親族からの援助ということになります。

次に援助総額の分布を見てみましょう。

(表3) 親または親族からの援助総額の分布(全国の推計値)

表3.jpg
出所:ゼクシィ 結婚トレンド調査2022調べ

最も多い金額帯が100万円以上200万円未満で全体の37.5%、次いで200万円以上300万円未満の同25.8%となっており、全体の82.6%を300万円未満が占めています。

平均で100万円を超える結婚費用の援助ですが「年間110万円超の金銭授受には贈与税がかかる」という話を聞いたことがある方は多いと思います。

最後に、結婚資金の援助やご祝儀にかかる税金についてみていきましょう。

結婚資金の援助やご祝儀に贈与税はかかるのか?

直系尊属である両親や祖父母から資金援助を受けた場合、基礎控除(年間110万円)を除いた金額に対して贈与税がかかります。しかし、結婚資金の援助については「結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度(2025年3月31日まで)」が適用されるため、次の(1)~(3)の要件を満たし、金融機関等で所定の手続き(結婚・子育て資金非課税申告書の提出等)をすることで300万円まで非課税となります。

(1) 受贈者が18歳以上50歳未満の子や孫であること
(2) 受贈者の前年の合計所得金額が1,000万円以下であること
(3) 贈与者が直系尊属(受贈者の父母や祖父母など)であること

国税庁ウェブサイト「No.4511 直系尊属から結婚・子育て資金の一括贈与を受けた場合の非課税」

この非課税制度は、資金の用途が結婚や子育てに関するものに限定されており、非課税対象ではない費目で資金を使った場合、贈与を受けた資金を貯蓄や投資に回した場合などは課税されることになります。

(表4) 非課税の対象となる費目の詳細

表4.jpg
出所:内閣府 結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置の概要

結婚・子育て資金の一括贈与に係る贈与税の非課税制度は、以下のいずれかの状況になった際に非課税契約が終了します。

  • 結婚・子育て資金管理契約の契約期間中に贈与者が死亡した場合
  • 贈与を受けた資金を使い切った場合

最後にご祝儀と税金についてみていきます。ゼクシィ結婚トレンド調査2022によると、結婚式等で受け取るご祝儀の総額は平均で180.4万円となっています。

贈与税の基礎控除額である年間110万円を超えることもよくありますが、ご祝儀は贈与税がかからない財産に分類されているため原則として非課税となります。ただし、金額については「社会通念上相当と認められるもの」とされているため、一般的な相場からかけ離れた金額(例えば孫へのご祝儀として数百万円を包むなど)のご祝儀は贈与税の対象となります。

国税庁ウェブサイト「No.4405 贈与税がかからない場合」

結婚の時期は、ご縁や結婚する当人たちのタイミングなどの要素が絡みます。教育費などと比べると計画的に資金を貯めにくいところがありますが、将来的に結婚資金を援助したいと考えている場合は、教育費のめどがついた時点などのできるだけ早い段階から資金計画を立てた方がよいでしょう。

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