市場が飽和し、成長速度が鈍っている先進国株式への投資では大きなリターンを得ることは難しいという見方もある。そんな中で投資家が今目を向けたいのは、アジア株だ。先行き不透明な時代だからこそ、ピンチをチャンスに変える発想が生きてくる。

この記事では、アジア株の最新動向や注目すべき国、アジア株投資の始め方を分かりやすく解説していく。成長真っただ中にあるアジア株への投資は、資産形成の速度を加速させるエンジンになるかもしれない。

株 上昇
(画像=PIXTA)

アジア株の魅力とは?

アジア株について特別な知識がなくとも、年々アジアの存在感が増していることを、肌で感じている人は多いだろう。

経済が成長し人口動態が変わるにつれ、成長速度も必然的に緩やかになる。悪く言えば頭打ちになる。アメリカや日本など多くの先進国は、すでにこの状況にあると言っても過言ではない。

その点、アジアはこれから成長する市場だ。かつての高度経済成長期の日本のような、急速な成長発展を見込めることが、アジア株の魅力と言えるだろう。

1990年、G7(主要7ヵ国:フランス・アメリカ・イギリス・ドイツ・日本・イタリア・カナダ)のGDPシェアは60%を超えていた。反対に、日本を除くアジア諸国のGDPシェアは10%前後。

しかし、そこから30年の間に状況は一変する。G7のGDPシェアは40%超の水準に下がり、対する日本を除くアジア諸国のGDPシェアは、30%近くまで上り詰めたのだ。

コロナショックで多少の変動はあるだろうが、この傾向は今後も続いていくだろう。いずれは、日本を除くアジア諸国のGDPシェアが、G7を抜くという予測もある。この成長の波に乗らない手はない。

アジア株の最新動向をチェック

米中対立の激化によって、中国を中心としたアジア株のパフォーマンスはやや低迷している。とはいえ、先進国企業と比べると利益動向は良好で、今後も底堅く推移するだろうと専門家は予測している。

アジアでは、急激な人口動態の変化やライフスタイルの向上といった構造上の変化が起きている。

生産年齢人口が多いことは、アジア諸国の特長だ。経済発展にともない所得が増加すれば、必然的に消費市場も巨大化する。

日本の輸出先のシェアをみると、1989年は、アメリカ・ヨーロッパが半分以上を占めていた。しかし2018年は、アメリカ・ヨーロッパは3割に落ち込み、中国とその他アジア諸国が半分以上を占めている。アジアが消費市場としても存在感を増していることは明白だろう。

豊富な労働力と巨大マーケットを持つアジアは、投資家だけでなく実業家の注目も集めている。

注目のアジア株3選!

急成長が見込めるアジア株だが、具体的にどの国に注目して投資すればよいのだろうか。続いては、アジア株投資を始めたい人が注目すべき国として、中国・インド・ベトナムを紹介する。

おすすめのアジア株1.中国株

まずは、アジア株の代表格とも言える中国株だ。

コロナショックの影響で経済成長率が鈍るのではないかという懸念があったが、2020年第二四半期の報告をみると、中国経済はすでに回復傾向にある。

2020年1-3月期の経済成長率は、前期比マイナス6.8%だったが、2020年4-6月期は3.2%と大きく回復。主要国の中でもいち早く回復したと言えるだろう。

米中対立が激化しているとはいえ、世界一の人口を誇る中国市場は、依然として大きな成長可能性を秘めていることに違いはない。

最近では、アリババグループが導入した信用スコアにも注目が集まっている。大手電子商取引サイトを運営するアリババグループは、中国版アマゾンとも呼ばれる大企業だ。個人のビッグデータを分析し、信用スコアを独自に算出する。

キャッシュレス化においてすでに日本の先をいく中国では、急速に社会が変革しつつある。このような状況下では、将来急成長株が登場する可能性も高い。

おすすめのアジア株2.インド株

世界第2位の人口を誇るインドも要注目の市場だ。インドの人口ピラミッドは富士山型で、まだまだ伸びしろがある。生産年齢人口は今後ますます増えていくだろう。10年以内にインドの人口が中国を抜くという予測もある。

インドは新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐため、厳格なロックダウン措置を敷いた。これによって経済活動が停滞し、今もその打撃から完全に回復したとは言い難い。しかし、人口の観点からも巨大市場であるインドが今後存在感を増していくことは容易に想像できる。

おすすめのアジア株3.ベトナム株

アジア株を語るなら、高い経済成長率を誇るベトナム株も外せないところだ。2019年のベトナムのGDP成長率は7.0%。14年から、GDP成長率6%以上という高水準を保っている。

ベトナムも例外なくコロナショックの影響を受けたが、20年9月現在、徐々に回復の兆しを見せつつある。GDP目標はさすがに下方修正すると発表したが、成長率はプラスになる見通しだ。

ベトナムの魅力もまた、生産年齢人口が多いことだ。コロナショックから回復すれば、再び6%以上のGDP成長率を期待することができるだろう。

また、中国と地理的に近いことから、米中対立の激化を懸念した企業が、拠点を中国からベトナムに移動させる可能性もある。ベトナムの今後の動向からは、目が離せない。

投資信託なら複数のアジア株に投資できる

アジア株に投資したいと思っても、どの銘柄に投資すべきか決め手に欠けるという人もいるだろう。それなら、アジア株に投資できる投資信託を選ぶという方法もある。投資信託なら、1つの商品を購入することで、複数のアジア株に投資できるものもある。

アジア株投資の始め方と証券会社の選び方

アジア株投資を始めるときは、証券会社選びが重要だ。

日本やアメリカの株式なら、多くの証券会社で取り扱いがある。しかし、アジア株は証券会社によって、取り扱っている銘柄の範囲や手数料には大きな違いがある。そのため、アジア株に強い証券会社を選ぶようにしたい。

日本で中国株に関して強みを持つ証券会社は、東洋証券だ。

中国株には、香港市場・上海市場・深セン市場という3つの市場があり、上海市場と深セン市場に関しては、さらにA株・B株に区分けされている。中国では、2014年11月に上海・香港間で、2016年12月には深セン・香港間でストックコネクト(株式の相互取引)が開始されたことに伴ない、海外投資家は香港証券取引所を経由して、中国本土市場に上場する株式に投資することが可能となった。

中国株の取り扱いがあるとうたっていても、上海市場のB株しか取引できないなど、選択肢が限られる証券会社も多いため、注意が必要だ。

東洋証券なら、香港市場・上海市場・深セン市場に上場している主要銘柄の取り扱いがある。さらに、A株・B株も取引できるため、幅広い選択肢の中から有望な中国株を探して投資したい人には、適しているかもしれない。

東洋証券では、毎日「中国株情報」を配信している。メディアなどで米中対立の情報は入ってきても、もう一歩踏み込んだ中国株の情報は入手しづらい。中国株の動きは、アジア株にも大きな影響を与えるため、積極的に「中国株情報」を活用したい。

なお、「中国株情報」は口座開設していなくても東洋証券の公式ホームページから誰でも閲覧できる。

アジア株はハイリスク・ハイリターン

アメリカや日本、ヨーロッパなど先進国株式への投資に比べ、アジア株投資は大きなリターンを狙える可能性がある一方で、特有のリスクもある。

アジア株投資特有のリスクとして、法制度や規制が十分に整備されていない点が挙げられる。会計基準も、国や企業によって異なるケースがある。そのため、先進国株式に投資するのと同じ感覚で、一面的な情報だけを見て投資判断をするのは危険だ。

その国が抱えるリスクにはどのようなものがあるのか、政治・経済の状況はどうか、法律や会計はどの程度整備されているのかなど、企業情報以外にも着目して投資先を選ぶようにしたい。

同時に、価格変動リスクや為替リスク、流動性リスクなど、外国株式に投資する場合の一般的なリスクがあることも忘れてはならない。あくまで余裕資金の範囲内でアジア株をポートフォリオに加えることが大切だ。

アジア株投資でピンチをチャンスに変える

2020年前半、コロナショックの影響で株価は乱高下した。そのような状況で、投資家としてどのようなスタンスでいるべきか悩んだ人も多いだろう。

守りを重視するなら、待ちの姿勢で静観するのも1つの方法だ。しかし、視点を変えれば、今の状態をピンチではなくチャンスと捉えることもできるだろう。

アジアの成長は、コロナショックで阻まれる類のものではない。より大きな、歴史の流れともいうべきものだ。だからこそ、短期的な影響に左右されず、長期的な視点から有望なアジア株を探して投資を始めることが大切だ。

先行き不透明な時代だからこそ、攻めの姿勢も持ちながら投資に臨みたい。

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