ハイリスク・ハイリターンと言われる中国株。株価の上昇力も魅力だが、じつは配当においても、その高い配当利回りが魅力であることを耳にしたことがある人も少なくないはず。そんな中国株への投資のノウハウを知り、より投資成果を高めていきたいところだ。
そこで、本記事では中国株の特徴のほか、高配当セクター(業種)や中国株の中長期に保有するメリットとデメリットなどを解説する。

目次

  1. 配当利回りが高い中国株
  2. 中国株の配当とは。権利確定日と配当の支払われ方は
    1. 配当の有無、金額、そして権利確定日は?
    2. 配当はどのタイミングで支払われるのか?
    3. 配当税は?
  3. 高配当セクターは?
    1. 金融セクター
    2. 通信・インフラセクター
  4. 中長期的に中国株に投資するメリットと注意点
    1. 中国株投資のメリット1:中国経済の有望性
    2. 中国株投資のメリット2:配当利回りの高さ
    3. 中国株投資のデメリット・注意点1:企業によっては情報を得にくい
    4. 中国株投資のデメリット・注意点2:国の政策でマーケットの状況が大きく変わる可能性も
  5. 日本人も投資できる中国株式市場の種類と特徴
    1. IPOも積極的な上海市場(上海証券取引所)
    2. 中小企業板のある深セン市場(深セン証券取引所)
    3. ベンチャー企業が上場するGEMを有する香港市場(香港証券取引所)
  6. 高配当の銘柄多数。魅力ある中国株投資

配当利回りが高い中国株

中国株では配当利回りが5%を超える銘柄が少なくなく、2桁台の株式を見掛けることも多い。
例えば配当利回りが5%とということは、100万円の株式に投資すると配当だけで5万円のリターンを得ることを意味する。毎年、同様の配当が続く場合は10年で50万円のリターンとなるわけで、株価の上昇とは別に大きなリターンとなるわけである。この配当利回りが2桁台となるとどれだけリターンが大きくなるかは、推して知るべしであろう。

近年の中国株では、特に金融セクター、通信・インフラセクターの配当利回りが高い傾向にあり、個人投資家や機関投資家から熱視線を集めている。

詳しくは後述するが、例えば直近の実績配当利回りを取り上げると、金融セクターでは中国で第3位の商業銀行である「バンク・オブ・チャイナ(中国銀行)」は7.56%となっている(2021年2月25日時点株価、香港証券取引所データ(2019年12月期実績)より実績配当利回りを算出、以下同)。

中国株の配当とは。権利確定日と配当の支払われ方は

配当の有無、金額、そして権利確定日は?

中国株における配当は、権利付き最終約定日まで株式を持っていることで受け取ることができる。
ただ中国においては、決算日がイコール配当権利確定日というわけではないことは知っておきたい(ちなみに日本では「決算期末日=権利確定日」だ)。中国株の場合、権利確定日は中国本土株でも香港株でも決算発表後にいつになるか発表され、いずれにしても株主総会が開かれた後の日付となる。権利確定日について誤解をしていると、配当を受け取れなくなることもあるので注意しておきたい。

また各銘柄について、配当があるかないか、配当の金額がいくらかが気になるところだが、こうした内容は各上場企業によって決算が発表された際に明らかになる。配当金の有無や配当金の金額などを知った上で、その銘柄を購入・保有するかを検討することもできるため、中国株へ投資する際は狙っている企業の決算発表日がいつなのかも注目しておきたいところだ。

配当はどのタイミングで支払われるのか?

中国株の場合、配当は「期末配当」だけの年1回のケースが多いが、そのほか「中間配当」や「四半期配当」も支払われるケースがある。ただ中間配当や四半期配当があるケースは多くない。この点は企業によって異なる。
まず期末配当についてだが、中国企業の場合は12月が決算の締めとなり、決算発表が翌年の3~4月ごろに行われ、期末配当の支払いは5~7月ごろになるのが一般的だ。
続いて中間配当についてだが、8月頃に中間決算が発表され、配当がある場合、支払いは9~11月ごろに行われるのが慣例となっている。ちなみに配当金は証券会社を通じて受け取ることが可能だ。

配当税は?

中国株の保有で得ることになった現金配当に関しては、日本株において配当を得たケースと同様に、基本的には「所得税15%」「復興特別所得税0.315%」「住民税5%」を合わせて合計20.315%の税金が課される形となる。そのほか、中国の現地で税金が課されるケースもあるので覚えておきたい。株式市場や登記地によって異なるが、10%の課税となることが多い。

高配当セクターは?

中国株に投資する際、最初から個別銘柄に注目するのもよいが、まずは高配当セクターを知っておきたいところだ。そのセクターの中から銘柄を選ぶようにすれば、自ずと投資の成功確率は高まるだろう。高配当セクターはその年によっても変わるが、2020年は金融セクター、通信・インフラセクターなどに注目が集まった。

金融セクター

金融セクターの銘柄を一部紹介していこう。「バンク・オブ・チャイナ(中国銀行)」(香港)は前述の通り直近の実績配当利回りは7.56%で、そのほか、中国の五大銀行の配当利回りも高い。「バンク・オブ・コミュニケーションズ(交通銀行)」(香港)も3.57%、「アグリカルチュラル・バンク・オブ・チャイナ(中国農業銀行)」(香港)が6.84%、「インダストリアル・アンド・コマーシャル・バンク(中国工商銀行)」(香港)が5.49%、「チャイナ・コンストラクション・バンク(中国建設銀行)」(香港)が5.51%という状況だ。
中国本土において1年ものの定期預金金利は平均1.5%程度であり、株への投資促進のため配当利回りが高い傾向にある金融セクターだが、2020年から続くコロナ禍による経済活動の不透明感のなか、あらためて安定事業である同セクターの存在感が高まっていると考えられる。

通信・インフラセクター

通信・インフラセクターでは、実績配当利回りが4.86%の「チャイナテレコム」などが挙げられる。中国通信大手の「チャイナ・モバイル」(香港)も5.93%となっている。

次世代通信規格「5G」の普及などによって、中国においても通信セクターの企業の成長は今後ますます加速していくとみられている。5G技術は「自動運転技術」でも必須とされる。中国国内ではいま、自動運転技術の実証実験がアメリカに勝るとも劣らない勢いで行われており、こうした側面からも通信セクターの企業が脚光を浴びているわけだ。

東洋証券
(※2021年2月25日時点株価、香港証券取引所データ(2019年12月期実績)より配当利回りを算出
※配当利回り(分配金利回り)は、配当政策や株価の動きなどによって、変動します。
※配当利回りは今後の利回りを保証しているものではありません。)

中長期的に中国株に投資するメリットと注意点

ここまで「中国株×配当」という視点で解説をしてきたが、中国株の魅力は配当だけではない。中国経済自体が今後さらに成長することも期待されているため、マーケット全体の好調な状態が中長期的に続くことなども大いに考えられる。

ここからは中国株に中長期的に投資するメリットのほか、デメリット・注意点についても触れていく。

中国株投資のメリット1:中国経済の有望性

中国のGDP成長率は、一時期よりは下がったものの、アメリカなどの先進国と比べると依然として高い水準にある。世界銀行によれば、2015~2019年にかけては6%台を維持している。

中国の経済成長を支えているのが、巨大な内需だ。そして日本の25倍もの国土にはこれからの発展を控えている地方もあり、まだまだ中国国民全体の消費パワーは高まっていくと考えられる。

中国企業による世界市場への進出も顕著だ。インターネット領域やフィンテック領域、EC領域のほか、製造業などの企業も東南アジアや欧米、そしてアフリカなどに積極的に展開している。巨大な内需に加え、世界市場での事業拡大も中国経済の成長のエンジンになりつつある。

中国株投資のメリット2:配当利回りの高さ

中国株に関してはこの記事では紹介したように、配当利回りの高さもメリットの1つだ。高配当セクターに注目しつつ、今後熱くなりそうな分野の企業の情報も積極的に得るようにしていきたい。

中国株投資のデメリット・注意点1:企業によっては情報を得にくい

中国株の場合、企業によっては日本語で情報を得にくいというデメリットもある。有名企業であれば日本語や英語で検索すれば情報が多くヒットするが、中国語でしか調べられないケースもある。

中国株投資のデメリット・注意点2:国の政策でマーケットの状況が大きく変わる可能性も

中国は、国主導でさまざまな経済的な環境が一気に変わることがある。基本的にマーケットに悪い影響を与えることは、中国の最高指導部も避ける傾向にはあるものの、場合によっては国際社会から反感を買い、中国マーケットに大きな影響が出るケースが出てくることも懸念される。

日本人も投資できる中国株式市場の種類と特徴

最後に、中国株式市場の構造について解説したい。中国市場は大きく分けて「本土市場」と「香港市場」があり、本土市場はさらに「上海市場」「深セン市場」に分かれる。つまり市場としては「上海市場」「深セン市場」「香港市場」の3つがあると覚えておくといい。

IPOも積極的な上海市場(上海証券取引所)

上海市場(上海証券取引所)は、A株とB株に分類される。A株は人民元で取引され、B株は米ドル建てだ。かつてB株は外国人投資家専用だったが、すでに中国国内の現地投資家も参加が認められている。ちなみにA株にはメインボードのほか、ハイテク企業向け市場「科創板」がある。科創板は2019年7月にスタートしたばかりだ。
上海証券取引所ではIPO(新規株式公開)が積極的に実施されており、2020年1~9月に新たに上場した企業が市場から調達した額は4兆円を超えた。これは世界の証券取引所の中で首位となる数字だ。

▽上海証券取引所の立会時間(現地時間) ・前場:9:30~11:30 ・後場:13:00~14:57

中小企業板のある深セン市場(深セン証券取引所)

深センは「アジアのシリコンバレー」とも呼ばれる都市として知られる。深セン市場(深セン証券取引所)も上海証券取引所と同様にA株とB株があり、A株は人民元、B株は香港ドルで取引が行われる。

A株にはメインボードのほか、「中小企業板」と「創業板」がある。中小企業板はその名前の通り中小企業向けの上場市場だ。創業板は新興企業向けの市場となっている。

▽深セン証券取引所の立会時間(現地時間) ・前場:9:30~11:30 ・後場:13:00~14:57

ベンチャー企業が上場するGEMを有する香港市場(香港証券取引所)

香港市場(香港証券取引所)は上海証券取引所や深セン証券取引所と異なり、A株とB株というように分かれていない。メインボードのほかに「GEM」があるが、いずれも取引通貨は香港ドルだ。GEMは「Growth Enterprise Market」の略で、急成長中のベンチャー企業が上場している。

▽香港証券取引所の立会時間(現地時間) ・前場 9:30~12:00 ・後場 13:00~16:00

高配当の銘柄多数。魅力ある中国株投資

高配当が魅力の中国株。各市場におけるさまざまな業種・セクターで高配当銘柄が存在している。新たに上場する企業も多く、今後も目が離せない状況が続く。
中国株投資は日本株への投資に比べて求められる知識は増えるが、より大きな成果につながる可能性もある。高配当に注目し、この機会に中国株投資を始めることを検討してみてはいかがだろうか。

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