チーム,Google,
(写真=PIXTA)

多くの組織では4月から新入社員を受け入れたり、他部署から新しいメンバーが加わったりで、組織の雰囲気も変わるのではないだろうか。

新メンバーが加わった時、生産性を落とさない様にするためにはどんなコツがあるのか。Googleが出した答えはたった一つ。

「心理的なセーフティネット」を徹底的につくることだった。

自分が所属するチームにどんな「心理的なセーフティネット」があるか(あるいは無いか)は、会議や飲み会をビデオに撮影して翌日チームメンバー全員で見て語り合うだけで、たくさんの発見ができるはずだ。

本記事ではチームマネジメントの観点からGoogleや青学の駅伝チームの事例を取りあげ、「心理的なセーフティネット」づくりのポイントを考察する。

チームを作るチームビルディングとは何か?

チームビルディングには数多くの研究があるが、心理学者B.W.タックマンによれば、チームとは大きく4つのステップを経て成熟する。

チーム作り,Google,青学
(出所=筆者)

まず「形成期」。いわばこのステップはチームを構成するメンバーが集まり、お互いのことを知っていく段階。相互に影響しあう度合いが大きく「誰かがどうにかするだろう」と、メンバーは指示待ちになりやすく探り探りのコミュニケーションになりがちだ。

そこで、この段階で重視されるのは解りやすいルールや簡単な合図。例えば、出社時間とか報・連・相のルール、共通書類のフォーマットの保管場所など、そのチームに入れば“一目瞭然な何か”によってチームづくりが始まる。一目瞭然なことがポイントで、暗黙知や特定の人を介さないとわからないというのは危険だ。

次は「葛藤期」。形成期で表出したお互いの認識のズレや課題に対して、お互いが自由に考えや意見をぶつけ合う。いわば健全なディベートステップ。解決策を議論していく過程では、個人の主張をしっかりして衝突しあうことがポイントで正解不正解という空気になるのはとても危険だ。

「私だったらこうするのに」といった個人の主張がこの段階で表に出ていないと、それらの主張はやがて愚痴となってしまい、チームへの離脱を加速させてしまうからだ。

この段階で注意すべきは上司による圧力。人気番組「痛快TVスカッとジャパン」(フジテレビ系)に登場する名物上司は、この葛藤期においてもっとも大きな阻害要因なのはいうまでもない。

3段階目は「統一期」。葛藤期を超えて統一期を迎えることができるかどうかが、チームビルディングにおいて最も重要であり、最も難しいと言われている。統一期とは、チームのメンバーが安心して情報や意見を開示し、それら認め合うことができる段階と言える。統一期を経るためには、チームリーダーの存在が不可欠と言われている。

葛藤期が短すぎて、お互いが言いたいことを言い切れず不完全燃焼で足並みが揃わないままであると統一期を迎えることはできない。その一方で葛藤期が長すぎると、お互いの信頼関係が修復不能な状態に陥りチームは崩壊する。

そして最終形態は「機能期」。機能期にはいると個々人の主張を乗り越えて、チーム共通の行動ルールや価値観が築かれている。互いの考えを受容、理解しながら、チームとしてのカラーができている。さらに機能期に入ると、チームリーダーがいなくても自発的に問題や課題が提起され、メンバー同士で解決策を出し実行している。結果としてチームへの帰属意識が高まっている。

この4つの段階を経て、チームビルディングができ上がると言われている。

ただ私たちがチームの行動観察を行うと、各々のチームがいまどの段階にあるのかを見極めることは非常に難しかった。B.W.タックマンの4段階モデルは、納得感はあるし説明も明快だ。しかし「今葛藤期で苦しんでいる」「ついに統一期に来た」といった分析はできなかった。

また、チームリーダーの存在はチームビルディングを行う上で重要な役割を果たすが、どんなに優れたチームリーダーでもうまくいかないで苦労しているケースもたくさん見てきた。