有価証券報告書を活用してより長期の業績を取得する

上記でご紹介したように会社四季報で過去の企業業績を取得することができますが、3期分とやや期間が短いと感じる方もいらっしゃるかもしれません。そこで会社四季報以外に、より長期の企業業績を取得する方法をご紹介します。その方法とは「有価証券報告書」を活用することです。

有価証券報告書とは金融商品取引法に基づいて上場会社が事業年度ごとに作成することが義務付けられている書面で、その冒頭に「主要経営指標の推移」が出てきます。下記は良品計画の「有価証券報告書-第36期(平成26年3月1日-平成27年2月28日)」から「主要経営指標の推移」を抜粋したものです。

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「営業収益(売上高に相当)」や各利益だけでなく、「1株当たり純資産(BPS)」や「自己資本比率」、「自己資本利益率(ROE)」、「株価収益率(PER)」「営業キャッシュフロー」など様々な指標を過去5期分遡って取得することができます。以下でご紹介する方法では5期前までの有価証券報告書を閲覧することができるので、最大10期分(5期前の有価証券報告書を見てそこから5期遡れる)の過去業績を確認できます。

<有価証券報告書の閲覧方法>
(1)グーグルやヤフー等の検索サービスで「EDINET」※1と検索
(2)EDINETにアクセスし「書類検索」というメニューをクリック
(3)画面の中の「提出者/発行者/ファンド」の欄に「銘柄名」または「銘柄コード」を入力
(4)「決算期/提出期間を指定する」の欄の提出期間を「全期間」に設定
(5)「検索」ボタンをクリック
(画面遷移イメージをレポートの最後に記載しています。)

※1 EDINETとは金融庁が所管する電子情報開示システムです。

なお、有価証券報告書は「四半期報告書」と通期の報告書に分かれていますが、長期の業績を取得したい場合は通期の報告書(有価証券報告書というタイトル)の書類を選択してください。ぜひ会社四季報や有価証券報告書を活用して、企業の長期的な業績等を投資に活用していただければと存じます。

また、本レポートで記載した内容はこちらの セミナー でもお伝えしておりますので、ぜひそちらもご参照ください。

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益嶋 裕
マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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