ソニーを筆頭に注目される自動運転用カメラ関連
ソニー <6758> は、携帯電話などで培ったCMOSセンサーの感度を10倍に高めて自動運転車用カメラへ参入している。自動車運転車を開発するベンチャー企業のZMPと共同開発で暗闇でも人間や車線を判別できる高性能車載カメラを発売済み。ZMPは今年にもIPOが期待されるロボットと自動運転のベンチャー企業でソニーも出資している。
ケンウッド <6632> は、デンソー <6902> のレーザーセンサーと組み合わせた自動運転監視カメラのシステムを開発している。監視カメラシステムはカメラの映像を伝送し、中央監視室で一元管理するシステムだ。同社もZMPの株主であり、ZMPとの合弁会社も展開している。
パナソニック <6752> も自動運転やADASに必要なカメラやセンサー類の部品を自動車大手などに供給している。自動運転のカメラとセンサーのシステムではまだ後発だが、車載用カメラや自動車バッテリーなどでは多くの実績がある。同社は自動車関連をコアビジネスのひとつと位置づけており先行グループにキャッチアップを目指している。
クラリオン <6796> は、自動車の四隅にカメラを設置し上空から俯瞰するアラウンドビューモニターに実績があり、自動駐車システムの実用化に注力している。また、Google と自動運転における音声認識および検索技術の活用に関する契約を締結、Google の技術を使い自動運転向けの最先端のクラウドサービスを提供していく。
三井化学 <4183> は、自動運転用カメラのレンズに商機を求めている。カメラの性能向上のためには、レンズの性能向上が不可欠だ。現行のADASに採用されているレンズの素材はガラスが中心だが、コスト面から樹脂化は必須だ。同社はスマホのカメラレンズ用樹脂で培った技術で自動運転車のカメラ用レンズの素材にも参入した。
センサーの開発競争も活発化する
画像センサーは光を電気信号に変換して画像として認識する部品。スマートフォンやデジタルカメラに使われており、ソニーが世界のシェア4割を握るトップカンパニーだ。パナソニックも自動運転用の次世代画像センサーを開発し、ソニーを追う。
センサーはカメラと一体でシステム化している場合が多いので主力関連銘柄は重複しているが、それ以外でもユニークな銘柄がある。
北陸電気工業 <6989> は、小型3軸加速度センサーの量産化を世界で初めて実現した。3軸加速度センサーとは、縦横垂直3方向の加速度を1つのデバイスで測定できる装置で、自動車の横滑り防止システムなどに使われる。
日本セラミック <6929> は、赤外線センサーで圧倒的シェアをもっている。障害物の存在判別や距離測定を行う車載用超音波センサーを手掛けており、自動運転分野でも需要は拡大するだろう。
TDK <6762> はステアリングの制御用センサーをすでに量産している。自動運転車の部品を高成長分野としており、自動運転を支えるセンサーとして磁性技術を生かした角度センサーやポジションセンサーなどを開発済みだ。
村田製作所 <6981> は超音波センサーの大手だ。3次元自車位置推定センサーを現在開発中。将来的に自動運転車での自車位置推定などへ応用する狙い。
パイオニア <6773> は走行空間センサーの開発を進めているほか、ドイツ企業と「高度化地図」の活用に関して協業していく。(ZUU online 編集部)